猫は室内でこそ自由に生きられる


猫は、室内でこそ自由に生きられる

 

 

室内なのに、自由?

 

 

自由は外にあるのでは?

 

 

一見矛盾するように思われるかもしれませんが、これが私が18年半の微々たる保護譲渡活動を経て得た答えです。私は永遠にこの考えを手放すつもりはありません。

 

 

最近、SNSで「(首都圏にて)一定数の猫を外に残しておきたい派」の書き込みを目にしました。

 

 

私の解釈だと、その方々は「外猫に不妊手術をし、ロードキル(交通事故死)や虐待について対策をした上で、猫を自然の環境に置くのも理想のひとつ」と述べています。

 

 

ところで、住宅地が密集する首都圏に於いて、自然とはどこでしょう?

 

 

市営公園のことでしょうか? 広い空地のことでしょうか?

 

 

自然とはつまり「どこ」なのか、私にはわかりませんでした。

 

 

次に、自然には野生動物が生息するのが一般的ですが、そもそも猫は「野生動物」ではありません。

 

 

では、野生動物でもない猫たちが、なんの理由で「自然」にいるべきなのでしょうか?

 

 

そして、個人的にいちばん引っかかったのは、ロードキルや虐待についての対策を施した上で、猫を外に置いて見守っていこう、という意見でしたが、具体的にはどう対策するのでしょう?

 

 

首都圏は人口が密集しています。

 

 

当然、交通量も人口に比例します。車の往来の多い首都圏にて、どのようにロードキル対策を取るのでしょう? ドライバーに速度制限をかけるのか? 車両の立ち入り禁止区間を設けるのか?(自然保護区の設立をめざす?) はたまた猫たちに根気よく信号機の意味を教えるのか?

 

 

その方々の仰る、ロードキル対策を具体的に知りたいです。

 

 

虐待防止対策についても同様の疑問があります。

 

 

当該猫の地域の方々が、交代で24時間パトロールをするのですか?

 

 

猫の数をどう把握し、だれがどこをどのようにパトロールしますか?

 

 

万が一虐待が見つかった場合の罰則の強化を現実的にどのレベルまでやりますか?

 

 

動愛法をあと何回改正すれば、虐待は「ゼロ」になりますか?

 

 

また、猫たちにある程度の飲み水やごはんが約束されるとしても、寒さや暑さや病気やケガや寄生虫はどうしましょう? だれが責任者になるのですか? ひとまず病院へ連れて行くとして、資金は地元の猫好きによるカンパですか? だれが猫を丸抱えするのですか? 丸抱えは重要です。

 

 

丸ごとを抱えて責任を取るのは大切です。そこには庇護の実体があるから。

 

 

私は決して、2020年の現時点で、地域猫活動(TNR)をしている方を否定しません。

 

 

外にいる猫を全員は連れて帰れないゆえに、泣く泣く地域猫活動を選択している方を知っているのです。大方、積極的にそうしているわけではなく、完全な消去法ですよね。

 

 

しかし、それがベストかと言われると、ちがうと思います。

 

 

私は猫が外にいるのが「ベスト」だとは思いません。人間を癒すためのほのぼの系の景色として、猫を一定数外に置いておくのが「ベスト」だとは思いません。

 

 

私自身も14年ほど前までは地元でTNRをしたことがあります。(私がリリースした猫たちは、ほぼ1年以内に事故死や病死をしました。毒を食べて死んだ猫もいます。うちの近所は猫が生きづらい地域なので地域差があるのは承知していますが……)

 

 

それに私は、日々必ず車を運転するドライバーなので、外猫が飛び出してくると肝が冷えます。轢いてしまいそうで怖いです。猫を愛するドライバーさんは私と同じ心境ですよね?

 

 

加えて、多様性を受け入れる私たちは、虐待魔や猫をいじめる人間は断じて許すことができなくても、どうしても猫が苦手、という方の気持ちは想像してもいい気がします。むろん、そういう方にとっても、猫は目に触れない「室内」にいたほうがいいですものね。

 

 

さあ、「猫は室内でこそ自由に生きられる」のフレーズに戻りますが、ここで私が述べている自由は、間仕切りのある世界かどうかではなく、動物としてのQOLの話です。

 

 

動物福祉の理念である「動物の5つの自由」を猫たちに担保できるのは、室内での適正飼育のみでしかありえないのです。では、5つの自由とはなんでしょうか?

 

①飢えや渇きからの自由

②不快からの自由

③痛み、外傷や病気からの自由

④本来の行動をする自由

⑤恐怖や苦痛からの自由

 

 

私は、外で眼光鋭く虚勢を張る猫たちと幾度となく出会いました。

 

 

我が家のさぶがいい例で、外にいた頃(7年前)は、本当に2メートル以内には近づけない存在だったのです。完全な人間不信で、少しの音でも逃げ惑う、目が合っただけで速攻どこかに身を隠してしまう、さぶはそんな猫でした。保護したとき、ノミやダニが被毛に数えきれないほどいて、すでに腎臓病に侵され、水ばかり飲んでいました。けれど、今さぶは自分の意志で私の膝に飛び乗っています。

aisiteru (1)

 

 

みーちゃんも日に日に明るくなっています。

aisiteru (5)

 

 

若返っています。

aisiteru (4)

 

 

ベッドの中でいびきをかいています。体重が増えました。

aisiteru (6)

 

 

保護猫牛丸は足のケガが治り、毎日おやつやおしゃべりに夢中です。

aisiteru (2)

 

 

外にいた頃とはちがう生き物みたいです。

aisiteru (3)

 

 

猫たちは、言葉で私に伝えることをしません。

 

 

でも私は、確かに彼らの声を聞いています。

 

 

人はそれぞれできることやキャパがちがいます。

 

 

誤解してほしくないのは、私はどなたかが一生けん命に取り組んだ一頭のTNRや、地域猫活動や、ほかの活動方法を非難したくてこれを書いているわけではありません。

 

 

ただ、猫は自然(外)にいるほうが幸せだ! とは思わないというだけです。

 

 

ご理解いただけると信じています。

 

 

猫にとっても犬にとっても人にとっても暮らしやすい社会になりますように。

 

 

お読みくださりありがとうございました。

 

 

LOVE

 

 

ペットシッター「にくきゅうのおせわ屋」をはじめました

お留守番をがんばるかわいい家族が「お帰り!」と目を輝かせて出迎えてくれるよう、安心・安全に最優先で心を込めてお世話します。

にくきゅうのおせわ屋

足立区・荒川区・文京区を中心に活動するペットシッターです。

足立区・荒川区・文京区を中心に活動してますが地域のご相談やお世話内容など、

にくきゅうのおせわ屋HPをご覧ください!

 

スポンサーリンク





10件のコメント

  • keiko129

    アンニィさん、初めまして。
    他の方のブログで、たわしちゃんのことを知り、そこからこちらを知りました。
    まだ、日の浅いファンですが、アンニィさんの紡ぐ文章が大好きで、ここを訪れるのが、毎日の日課となっています。
    ノラスタも読みました!
    それでも人を愛する犬は、探しまわって、やっと読むことがてきました。
    二冊とも、私の宝物です。
    話は反れましたが、私もアンニィさんの考え方に、大賛成です。お外の猫を見る度に心が痛くなります。
    全部の猫を飼うことができないというのは、充分わかっているのですが、一匹でも多くの猫におうちの、人間のぬくもりを知ってもらい、甘えることを覚えてもらいたいです。
    文章力がなく、まとまらないコメントでごめんなさい。
    これからも、更新を楽しみにしていますね。

    • anny703

      keiko129さま
      なんとうれしいコメントでしょう。本当にありがとうございます。私の本も2冊読んでくださったのですね。
      同じ気持ちの方がこうしてコメントを残してくれるのがうれしいです^^
      未来の日本を想像したときに、すべての猫をお家に入れることはできない、とは思いません。
      諦められないです。
      そのために今は、譲渡できる力を持つ個人を増やしていくべきだと思います。
      たわしちゃんのこと、なんのブログに書かれていたのですかね?

      とにかく本当にうれしいコメントにウキウキと心が躍っています。心より感謝♡

      • keiko129

        アンニィ様
        あけましておめでとうございます!今年もよろしくお願いいたします。

        いつもスマホでこちらを拝見しているので、コメントのお返事をいただいていることに、気付くのが遅くなりました…っていうか、まさかアンニィさんから直接お返事いただけるなんて思っていなかったので、とても嬉しいです\(^o^)/
        ありがとうございます!

        そうですよね。諦めたらダメですよね。
        うちには、自分で保護した猫が2にゃんいます。譲渡会や譲渡サイトでかわいいにゃんこを見ると欲しくなりますが、この先自分で保護した子のためのキャパを空けておきたくて、グッと我慢しています。
        諦めず、自分でできる範囲からでもコツコツと、頑張っていきたいです。

        年末からと今週末に、大寒波がやってくるようで、お外のにゃんこのことを考えると心が痛いです…

        寒い毎日が続きますが、お身体ご自愛くださいね(^-^)

        • anny703

          keiko129さま
          そうですね。外で今寒い思いをしている猫がいると思うと心が痛いですね。うちも近所には今気になる子がいませんが(猫自体を見かけない)、少し足を延ばせば住宅地ですので必ずいると思います。そういう子たちを見るのが今はとても切ないです。見つけるかもしれないと思うとビクビクします^^; でも、もしなんかの形で出会ったらそのとき私にできるベストをしようと思っています。
          家族の状態や仕事などがコロコロ変わるライフステージの中で、どの程度できるのかわかりませんが、できることをしていきたいと思います。
          お互い頑張りましょうね!

  • シェリー

    私は鳥取県に住んでますよ。たぶん、東京に比べて人口少ないし、自然もたくさんあると思いますが。車も、ほぼ全家庭が所有しているけど、東京に比べたら少ないんでないかな?
    たぬき、いたち、そして猫ちゃん。交通事故でひかれていますよ。
    ごみをあさるって、嫌って蹴ったりする人もいるって、とある業者さんからも聞きますし。
    外で、安全に平和になんてぜったい無理だと思うのですが?
    TNRは永遠に続く、外猫繁殖の連鎖を断ち切る大きな希望だと私も思います。でも、外猫が安全で自然な生き方ってのは、車だらけの今の時代では違和感がありますね。

    • anny703

      シェリー様
      そうなんですよね。きっと首都圏以外にも多くの地域に住む方がシェリーさんと同じ意見をお話しすると思います。
      仮にひとときの安全があったとしても、年を取れば猫だって病気になったり外敵が増えたり、いろいろと困ることが出てくると思うので、本当に猫を思うなら先の先まで想像する力も必要ですよね。私もこの寒さの中に取り残されている猫を思うと心が痛いです。

      • シェリー

        厳しい寒さが続きます。うちの2にゃんはこたつでぬくぬく、幸せそうに昼寝していますが、寒さにふるえながら生活している猫たちは、命にかかわるんじゃないかな?
        2にゃんぽっちしか里子に受け入れできなくて、無力感です。

        ハハさんが書かれているように、猫を野に放つのは危険すぎると思います。それと費用。
        夏場に魚釣りで拾った、白黒男子ですが、脱水症の点滴、去勢、ワクチン、ノミ駆除、寄生虫駆除で3万円飛びました。
        一匹でです。
        外猫賛成の方々!ぜったい、破産しますよ~
        猫がみたいなら、ぜひお家で鑑賞していただきたいですね。マヌケな顔が飽きるほど見れますから。安全こそ、最大の幸福だと思います。猫には医、食、住ですよ。

        • anny703

          シェリー様
          説得力ありますね。確かに! 外に出すと医療費もかかりますね。家の中にいるのがいろんな意味で幸せなんだと思います。
          本当に寒がりの生き物ですものね。裸足で外にいるのはしんどいですよね。
          家の中にいたっていちばんあったかい場所を探すのですから……
          無力感なんて感じる必要ありますか?
          できることをされているじゃないですか! すごいことだと本気で思いますよ^^

  • sunstar

    アンニイさんのご意見に100%同意です。K議員さんなど、奄美の猫の件に注目をしてくれるのはよいのですが…、「外に居る猫をみたい」といった意見は、完全に人間側だけの願望ですよね…。思うに、動物福祉について正しい知識を持っている人がまだまだ少ないんだと感じています。私の回りにも、いまだ猫は外が幸せ、中型犬以上は外で飼うもの、とかまだ言っている人がいます。もっと広めていく必要がありますね。

    • anny703

      sunstarさま
      コメントをありがとうございます。うれしいです。私も例の議員さん関連のツイートを拝見し、さすがにちょっと違うのではないかと思い、自分のブログで意見を書かせてもらいました。100%ご賛同いただきましてとてもうれしいです。
      そうですよね。動物福祉の観点をもう少し掘り下げたほうがいい気がします。社会常識や人々の考え方が変わっていくのですから、私たちもいろいろ勉強をしてブラッシュアップをしていきたいですね。

コメントを残す