お茶会の朝、小宮さんから美しいお花が届きました。よし、これをテーブルに飾ろ。
延期にさせてもらっていたお茶会をこれ以上のばすわけにはいかない。
だけど今回は、今回だけは、自信が持てなかったのです。
ほかの頭と体を借りてでも、私は成し遂げなければなりません。サクのためじゃない。サクのためじゃなくて、私の片側のエンジンをふかすべき時なんです。
結果じゃなくて、重要なのは結果じゃないんです。
私のポリシーを、私は重んじなければ生きていけません。
そうしなければ、私は生きている意味を見出すことのできない人間です。大げさだと笑われるかもしれませんが事実です。
サクは激しく人見知りします。最近多少軟化してきたとはいえ、知らない方はサクにとって異物以外の何物でもありません。こういうタイプの保護猫は多くいました。
希望者さんはがっかりしたりします。
「私たちは嫌われたのでしょうか」と。
そこで私は、事前に重ね重ね説明をするのです。どうして人見知りをするのか、どういう環境で保護したのか、いわば先に言い訳をたくさんしておきます。
けれどその作業が今はどうしても難しく、実はパソコンをほとんど開いていません。
サクのフォローができない。
もう、ありのままでいい。
私にしてはめずらしく、なげやりとも取れかねない心向きで、いや、決して下を向いてはいないのですが、なんていうか、お茶会のごあいさつ「こんにちは。田辺です。本日はよろしくお願いします」だけで精いっぱいで、私は何度もその一語を反芻しながら希望者さんを迎えました。その先は考えていませんでした。
「ありのままのぼくでいいの?」
おみやげを手にご夫婦がいらっしゃいました。
「ぼくにおやつをくれるの? ぼくこれ大好きだよ」
サクにおやつを食べさせるご夫婦の動画 ↓
「あの ぼくケージから出て遠くへ隠れてもいい?」
いいよ。行きたいところへ行ってごらん。
ご自宅の様子をiPadに撮り、持参してくれました。ご夫婦には2匹の愛猫がいたのですが、最近うちの1匹を亡くしたのです。亡くなったホイミちゃんは前片足切断のハンデを乗り越え、愛の中で旅立ちました。だから私たちは呼応したんです。魂で。
そしてこの素敵なご夫婦を紹介してくれたのは、8年前に私が強烈な多頭飼育現場から連れ帰ったあじさいという猫の里親さんでした。あじさいママさんありがとう。
当時の記事はこちら→「フックたちのこれまで/幸せの703号室」
サクに会いに来てくれたご夫婦は、私が保護したあじさいという猫のママさんの保護猫2匹を引き取って暮らしていました。つまり里親さんの里親さんです。
TVの裏に逃げるサクをニコニコしながら眺めるおふたり
「あ、足が見えた」
「お、少し顔が見えた」
「ふふ」
「かわいいね」
終盤、私はおふたりに伺ってみました。
「サクのままでいいですか?」
おふたりはお互いの顔を見合わせながら「ぜんぜんいいよね♪」と声を揃えました。
先住猫ハピリちゃんがいるので、まだ100%必ずうまくいくとは言えないかもしれませんが、私は感謝と希望を胸に、サクを送り届けます。
応援してくださった皆さま、ありがとうございました。
皆さまにいいことばかりが起きますように。
いつも接待で忙しかったべべ公のかわりに末娘リルがほんのり営業しました。
リルありがとう。お疲れさま。
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