匿名さまより猫砂と猫おやつのプレゼントをいただきました。おやつはこの度の猫スカウト(保護)に大活躍したのですよ。どうもありがとうございました!
先日、都内で仕事を終えたまなちゃんが703号室にやってきました。
「はあ……不安です。アンニイさんすみません。はあ……ドキドキする」
「捕まるといいね。まあ、いてくれたら捕まると思うんだけど」
「毎日見るわけじゃないので必ずいるかはわからないのですが……万が一いなかったらアンニイさんに無駄足を踏ませてしまいます。ああ、ごめんなさい」
「まなちゃん、何度も謝らないで。逆に気を遣ってしまうから」
こちらがまなちゃんにお願いするほど、私に恐縮しまくりのまなちゃん。
捕獲箱(1台)と猫のおやつを手に、私たちはうちから私の車でまなちゃんちをめざしました。超遠いイメージだったけれど、夜の高速道路が空いているおかげで約1時間で到着! 車の中でもまなちゃんはため息を繰り返していたのです。
「はじめまして。わたしごまです」
「あなたはアンニイさん?」
「わたしこの家のねこです」
「わたしはたまご。保護猫時代に会ったわね。アンニイさんおぼえていますか?」
「あ~ ちゅーるはおいし♡」
「わたしはねね。お接待は苦手なの」
ごまちゃん、たまご、ねねちゃんはいずれもまなちゃんが保護した子たちです。
「愛猫」としてまなちゃんちで暮らしています。かわいかった^^
お父さん、お母さん、お兄さんにもごあいさつ。お父さんもお兄さんも私をまなちゃんだと間違えたらしく、「あれ? まな?」と声をかけられてしまいました。
着替えたまなちゃんが捕獲箱(1台)と猫のおやつを用意してきました。よし! 猫のおやつもいろんな種類が揃ったし、捕獲箱は2台あるし、出発しますかね?
途中のドラッグストアでにおいの強い猫缶を追加で買い、いざ目的地へ!
詳細は伏せますが、大きな駅前のロータリーのど真ん中に外猫が2匹いて、動いている車の下に入ってしまうため、非常に危険な状態だったのです。偶然猫たちを見かけたまなちゃんは数か月単位で悩んでいたとのこと。私もまなちゃんに会うたびに聞かされていました。場所と対人関係の問題から女性ひとりで捕獲箱を仕掛けるにはハードルが高く、私がお手伝いをすることになったのです。
餌やりのオジサマどもに満面の笑みで話しかけまくる私。別人になった感覚です。
猫を連れて行かないでと言われるのが怖いので、最初に「ここに来る猫はみなさんのうちのどなたかの飼い猫ですか?」と聞いてみることにしたのです。
するとほぼ高い確率で「ちがうよ。ノラだよ」と返ってきます。
人間は咄嗟の質問に対して瞬時に自己防衛本能がはたらくので、「この猫の責任はおれにはない」という流れを作るのを目的とした会話を組み立てていくのです。
大げさだと笑われるかもしれませんが、重要なポイントです。
「ノラ猫……じゃ、飼い主がいない猫ですね? 実はすでに役所に相談済みで、了承も得ています。私たちがたいせつに飼うので連れて帰ります(笑顔)」
ここからは餌やりさんグループの前でもニコニコ堂々と保護のために動きました。
そして時おり餌やりグループの人たちに敢えて頼り、アドバイスを求めます。「疎外感」を感じさせないためにみんなを巻き込むのです。
かれこれ20分で最初の黒白の猫が箱に入ってくれました。
地面にばら撒かれていたドライフードを(勝手に)処分。ごちそうを箱に忍ばせたのです。
入る前はこんな感じ(箱はこの直後にまなちゃんのから私のに変えてあります)
やった!!
すぐさま駐車場へ
手際よく車に箱を積むまなちゃん
なかなか手ごわい2匹目のために箱をひとつセットしたまま一帯が見渡せるファミレスでラーメンを食べる女ふたり。あまりにも空腹で動けなかったのです。
まなちゃんごちそうさまでした。
そして足早に戻ると、私たちから逃げまわって姿を消してしまった2匹目が中に入っているではありませんか! 至近距離で確認すると感動もひとしおですね。
スカウト大成功!
「わたち ヤンキーに拉致られました 助けて~」
703号室に帰って祝杯をあげるまなちゃん
飛び上がって喜んだいい夜でした。ふたりとも早寝&ぐっすり~♪
翌日、休診日のemi-goに泣きついて病院へ……
明後日、まなちゃんとまなちゃんのお母さんが迎えに行きます。
もし2匹同時保護があまりにもキツかったら、我が家で1匹預かろうと思っていますが基本はまなちゃんががんばるとのこと。まなちゃんお疲れさま。私も役に立ててうれしいです。
最後に余談ですが、今回の高速道路代はまなちゃんが払うと言ってききませんでした。まなちゃんはいい譲渡ができる「個人」ですが、支援を募っていません。里親さんに医療費の実費を負担してもらったとしても、果たして保護にかかるお金は医療費だけで済むでしょうか? ガソリン代、交通費、光熱費、通信費、雑費、ごはん、おやつ、猫砂、ペットシーツ……じわじわと個人の懐をひっ迫させているのは身を持って私が現在も体験しています。
emi-goの病院も(病院の稼ぎ柱である)保護猫のワクチン代を思い切って無料にするなど、本当に身銭を切ってこの国に住む犬猫たちのQOLを真剣に考えています。
(※ちなみにつけ加えておきますが、ワクチンの仕入れ値はもちろん無料ではありません)
一歩一歩、一匹一匹だからなかなか伝わらないかもしれない。
大したことをやっているように思わない方が多いでしょう。
実際、目の前の一頭に精いっぱいの私たちは微力です。
それにたまに外食もしたいし、新しい化粧品もほしいです。
けれども活動をするときは、考えつくす限り丁寧に保護動物たちと向き合っています。
手抜きもズルもしません。
自分の自由意思で保護するのだから原則すべては自己責任でしょう。
だれかに強制されているわけではないのですから。
しかしもし不遇な猫が日本にいなかったら私たちは直ちにほかのことをエンジョイします。
私は今自分の生活すらも心もとなく、周りを応援するだけの経済力がいっさいないです。若い方々の真摯な姿を見てもただ「がんばっているね」と褒めるしかできません。でもだからこそ、自分にできる形で個人にエールを送りたいです。
なにに繋げたいかおわかりですね?(笑)
もふもふ譲渡祭に遊びに来てください。
譲渡祭に出るのは成猫がメインですが、どの子も保護主さんの愛と時間と情熱をまとっています。犬猫と暮らしたいお友だち、お知り合いを誘って気楽に会いに来てください。
皆さまが少しだけ「個人」にもフューチャーしてくだされば幸いです。
長くなってごめんなさい。読んでくださりありがとうございました。
LOVE
ペットシッター「にくきゅうのおせわ屋」をはじめました
お留守番をがんばるかわいい家族が「お帰り!」と目を輝かせて出迎えてくれるよう、安心・安全に最優先で心を込めてお世話します。
足立区・荒川区・文京区を中心に活動してますが地域のご相談やお世話内容など、
⇒足立区のペットシッター にくきゅうのおせわ屋をご覧ください!