突然ですが、4月19日に話は遡ります。
この日私はニッコリでした。
保護猫ローズの退院日だったのです。
ローズはもともと外猫時代、人からもい猫からもいじめに遭っていました。
しょうがない。生きるためにみんな必死で、グチャグチャの世界ですから。
私はもつれた糸を丁寧にほどくのをライフワークにしています。
今読んでも私にとって実に感動的で、保護したときの喜びははかり知れません。そのローズがようやく家になじみはじめたのに、今度は目の上にできた大きな腫瘍を取る一環で片目が潰れてしまいました。もし目の病気なら迷いなく私は片目を潰すでしょう。しかしローズは目の病気じゃないのです。
皆さまには説明しづらいのですが、ここが自分の中の非常に重要なポイントになりました。目の病気で目を潰すのか、目の病気じゃないのに目を潰すのか。
ぜんぜんちがうのです。
中島先生と病院で話し合っているとき、私はあまりにも簡単に片目を取るようお願いしました。
時短、合理性、根治、長い目で見た場合の犬猫のQOL、近年目指している私の生き方が投影されていたのかもしれません。
( ※その日のブログ記事はこちら)
当時も書いたのですが、ローズを入院させた帰りの車内で私は自分の発言シーンを思い出し狼狽しました。片目を潰していいと、私は即言い切った。冷たく、醜い顔をしていたにちがいありません。
その時点でローズは私の中で、別次元へ移動したのです。
ちゃんとパチッと両目があったんだよね。
かわいいこのままのローズで
いろんなことを乗り越えてきたんだもんね。がんばったんだもんね。
なのにローズ、ごめんなさい。
あんな簡単に言うべきじゃなかった。もっと人間らしく、泥臭く、悩んで迷ってあがくべきだった。私はなにかたいせつなものが欠如してしまったのかな?
以後さまざまな葛藤を経て、予定通り行われた手術をローズは乗り越えてくれました。麻酔から無事にさめてくれてほんとうにホッとしたものです。
そんなローズを自宅に連れて帰れるとあって私はウキウキモード。
しかも、卒業生ちゃた幸の里親肉球きらりさんもいっしょです。
「きらりさんちゅーるくれてありがと」
きらりさんは病院におみやげを手渡していました。emi-goは恐縮モードです。
中島先生ともごあいさつ
きらりさんとローズを車に乗せ703号室に戻りました。
きらりさんが持ってきてくれた大福と私が用意したお茶菓子でお茶会
そう。この日はローズのお見合いを兼ねていたのです。
ローズをきらりさんに紹介したのは、ローズがまだ両目ぱっちりの頃。きらりさんは保護猫3匹までなら引き取れるキャパシティーがあるのを私はきらりさんに聞いていました。私が出したちゃた幸と、マイ太郎さんが出した結ちゃんがきらりさんのお宅にいるので「もう1席」空いています。そこに私がローズを紹介したのです。ローズの腫瘍が判明する前の話ね。
きらりさんはローズが片目になったのも当然知っていましたし、前向きに検討するためにローズに会いに来てくれました。心から感謝しています。
あまぱんもなでなでしてもらったね♪
何時間話したでしょうか……
とにかく私の思いを伝えました。きらりさんにローズをアピール。きらりさんも真剣に「お持ち帰り」してくれたと思います。正直私は胸中でガッツポーズをしていました。
ローズときらりさんのご縁が決まった、と。
あとはいつ皆さまにご報告しようかな? みたいな鼻歌テンションだったのです。
ところが、ローズに会ったことで、きらりさんは改めてキャパシティを熟考するようになり、当面はちゃた幸と結ちゃんのペアでいきたいと言われました。
すがすがしい気持ちでした。きらりさんの筋も通っています。
彼女は決してローズが片目とか両目とか関係ないのです。私はきらりさんという女性の猫への思いをわかっているし、そんな方じゃないからこそわざわざローズに会いに来てくれたわけですから。だけど本音はショックでした。
私はローズもきらりさんも大好きです。どっちがどうということではなく、ただ縁を期待していたことと、期待していた縁を結べなかったことが悲しかったです。
でも逆にきちんとした考えを持っているきらりさんをより尊敬したのです。
きらりさんからお断りされたあと、私は卒業生楽の里親福田さんに打診。
できればローズは信頼できる方に預けたいんですよね。
もちろんネットでの募集も考えていたのですが、その前にだれかいないかなと。
福田さん夫妻はローズをかなり気にかけてくれていて、ローズの家族になりたいと仰ってくれました。しかし、福田さんの分譲マンションの規約では猫は2匹までしか飼えません。深夜まで福田さん夫妻と電話で話をして、結局振り出しに戻りました。私はベコベコです。私を凹ませた正体はきらりさんでも福田さんでもありません。私自身のおごりと、ローズへの一種説明しがたい執着です。
ハッキリとは覚えていませんが、1週間くらいは「負」のオーラから自分を立て直すのがキツかった記憶があります。辛くてたまりませんでした。どうしてだろう。理由は分析しきれていません。
けれど、保護猫たちに運命の赤い糸を結ぶために私は彼らを保護したのです。その責任から逃げるわけにはいきません。よし、ローズはネットで一般募集をしよう。
気力を振り絞ってやってみよう。
できるできる!!
ずっとやってきたことだからできる!!
ある日リビングの猫トイレの周囲に掃除機をかけながら自分を鼓舞していたとき、突如パチッと降りてきました。アイコンがチラチラチラチラ。
自分でも想像すらしていなかった場所からだったのです。
ん???
え、なんで?
掃除機を放り出した私は即座に自分の直感のままにiPhoneを握りしめ電話をかけました。
ローズの家族になってもらうのはにゃん太さんがいいかもしれない!
つづく
ペットシッター「にくきゅうのおせわ屋」をはじめました
お留守番をがんばるかわいい家族が「お帰り!」と目を輝かせて出迎えてくれるよう、安心・安全に最優先で心を込めてお世話します。
足立区・荒川区・文京区を中心に活動してますが地域のご相談やお世話内容など、
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