べべ公の「ひとりっこ時代」
私はしょっちゅう若いべべを連れてドッグランへ行ったものです。
横浜に住んでいた時はべべ公とふたり、第三京浜をドライブがてら二子玉の「いぬたま」へ。今の場所に引っ越してきてからも大きな公園へ出かけるのが私たちの週末の恒例行事でした。
べべ公の滑るような走り方が好きでした。
べべ公は足の速い犬で、ドッグランの中で中型犬大型犬をグングン抜いて猛進します。
女の子への誉め言葉にならないかもしれないけれど、実にかっこよかったです。
むかしむかし、実家そばのドッグランへ連れて行った日のこと
当時べべ公はおそらく10か月程度だったと記憶しています。
ジャックラッセルテリアはコンパクトなボディに見合わず果敢な犬種
運動神経抜群、気が強く、怖い物知らず、そしてある程度友好的。我が家は今のような多頭の環境ではなかったのでべべ公の自己中な性格がピークに達していた頃でもありました。
リードを外すと弾丸のようにすっ飛んでいくべべ公
私は遠巻きにべべ公の躍動する姿を眺めていました。
美しいべべ公。生がパンパンに詰まっています。
・・・・・・・・・・・・
え べべどこ?
ちゃんと目で追っていたつもりだったのに、一瞬私の視界を外れたべべ公
と同時に、か弱い犬の鳴き声が聞こえ、人の叫び声が耳に入ってきました。
「ケンカ、ケンカしてる!」
驚いてドッグランをくまなく見やると、遠くの方でべべ公らしき犬が縮こまっています。
ダッシュで近づく
あああやっぱり・・・・・・
ケンカをしていたのは、40キロはありそうなゴールデンレトリバーとうちのべべ公
下を向いてガタガタ震えているべべ公の首からは少し血が垂れていました。
「ごめんなさい。こんな小さな子に・・・・・・」
ゴールデンレトリバーの飼い主さんはすぐに私に謝ってくれました。しかし状況から考えて、わるいのはべべ公の方。ゴールデンレトリバーのお気に入りのボールをべべ公が執拗に奪おうとしたのですから。
(※最近はオモチャの持ち込みを禁止するドッグランがほとんどだと思いますが、15年前はまだ自分のオモチャで遊ぶのが主流だったのです)
私はゴールデンレトリバーと飼い主さんに詫び、べべ公を抱いてドッグランを出ました。
ドッグランを出たあと、べべ公に小声で「ごめんね」を言いました。
いちばんいけなかったのは目を離した私です。
ドッグランでガタガタ震えていたべべ公は現場をだいぶ離れてもなおひとりでは歩けず、ますます震えるばかり。抱きながら帰路を歩いている間じゅう、私に泣き言を漏らしてきます。
「クーンクーン」
「ワワワヒーンクーン」
「クーン」
人間の子どもみたいに、目にいっぱいの涙を浮かべながら。
べべ、首痛かった? どれどれ見せて? ああ、だいじょうぶね。帰ったらいちおうお医者さん行こうか。そっかそっか、悔しかったか。悔しいね、悲しいね、お友だちに怒られちゃったね。
「クーンヒーン」
そっかそっか、怖かったか。プライド傷ついたよね。でもあれ、お友だちのだいじなオモチャだったから。あ、ドッグランにべべのボール、忘れて来ちゃったね。今度新しいの買おう。
だいじょうぶ。震えないで。もう泣かないで。
非常にわがままだったべべ公の社会勉強。べべ公なりに学習、反省したらしく、次のドッグランではお友だちと仲よく遊べました。私もますます目を光らせて見守るように。
たまにあの日のことを思い出します。
なぜかあの日、私は腕に抱いていたべべ公がとても重く感じられました。
私に家族が増えたんだと、ほんとうに実感したのです。
本日のべべ公
15年前のお話みなさんにしちゃった(笑)。
あの前も、あれからも、ずっとべべ公とお母さんはいっしょにいるね。
草のにおいを嗅ぎました。
ヨチヨチ歩きました。
べべ公、15歳と9か月の秋
LOVE!
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