※ブログを連続更新中。本日は皆さまにぜひ読んでいただきたいです。
たわしはいつもほかの猫に遠慮する。
お気に入りの場所にいても、ほかの猫が来たらスッ、と譲る。迷わない。
どこかへ移動するときも、だれにも見つからず、消え入るようにそっと動く。
ごはんをあげた直後は食べない。
「食べていいのかな?」
「わたしの分かな?」
「大丈夫かな……」
ほしそうにじっとご飯を見つめて、こちらの注目がなくなってから静かに食べはじめる。
申し訳なさそうに、でも、とてもおいしそうに目を輝かせてドライフードを噛み砕く。
ほかの猫に理不尽に怒られてもすぐに降参する。争わないし、戦わない。
「わたしには敵意がありませんっ」
たわしはやさしい。たぶん、根っからやさしい。
たわしはケージに吊られたハンモックに揺られるのが好き。
たわしは「なりたい猫」のまねをする。大胆でリラックスした猫のまねをする。
たわしは本当は、大胆でリラックスした猫になりたい。
でも、小さいときからひとりぼっちで暮らしていたたわしは、沁みついたビクビクを完全には消せない。そして、なにごとも「一拍置いて考える癖」がある。
たわしはなかなか思慮深い。
たわしにはノラ猫時代に親切にしてくれた人間の女性がいる。
その女性からドッグフードをもらって命を繋いできた。
その女性はたわしの存在を「友だち」だと表現してくれた。
だから、たわしにとってもその女性は「友だち」にちがいない。
たわしにはたわしの交際の流儀があった。
外で出会うその女性を「歓迎する(迎えて甘える)場所」と、「(女性からもらった)ご飯を食べる場所」の2か所を、たわしは一方的に決めて、固く守ってきた。
ちがう場所で女性に遭遇すると、たわしはハッと飛びのいて逃げてしまう。
逃げたあとは、「歓迎する(迎えて甘える)場所」まで全力疾走する。
交通量の多い道路すらも横断して。
甘えると決めた場所で、たわしは腹を見せて女性に自分をさらけ出した。
ゴロゴロ喉を鳴らし、女性の体にスリスリ全身をこすりつけた。
我が家で垣間見るたわしの性格には、たわしの過去の経験が詰まっている。
たわしにとって、外は危険地帯で生きづらかった。
けれど、たわしには将来を心配してくれる「友だち」がいた。
今夜、たわしの友だちの女性から何通ものメールが届きました。その女性がたわしをどんなに深く思ってきたのか、私に痛いほどよく伝わってくる内容でした。
家庭の事情で飼うことはできなかったけれど、女性は友のために手を尽くしました。たわしを飼ってくれそうな人を探したり、せめて不妊手術を受けさせようと洗濯ネットでたわしを捕まえたり……。TNRのために病院へ連れて行くまで、一晩自宅に置くのにも家族の説得をがんばったそうです。
中でも雨の日のエピソードを読んで、私は目頭が熱くなりました。
あまりにも容易く当時のたわしの姿が想像できたから……。
一部抜粋して紹介します。
〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇
たわしに会えない日というのがありました。
雨の日です。
雨が降るとたわしはどこかに身を隠して現れないのです。
たわしは身を隠すのがとても上手で、こちらから見つけることは不可能でした。
たった1度だけ雨なのにお迎えしてくれた事がありました。
でも、とにかく餌場はここ! と本人が決めていて、屋根のある場所に誘おうにも、こちらの誘いには乗らない主義でしたので、屋根のない場所でご飯をあげて二人ともビショビショになった事がありました。
今となっては想い出ですが、次の日に心配して朝探したら出て来ましたがだるそうにしていて、どうにかしなくちゃなと心が痛みました。
朝の写真です。うまく撮れていませんが……。
お腹を見せてくれました。
〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇
愛おしくなりますね。
しかしこの石頭ちゃんに「臨機応変」という言葉を教えたい(笑)。
警戒心がなければ生きていけない。
いっぽうで、心を溶かせる相手に自分を預けたい。
たわしの内側のせめぎあいが伝わってきます。
まだ幼さが残っているのに、ずいぶん苦労して、ずいぶん立派な猫ですね。
私は、たわしは幸せになるべき猫だと思います。
(※写真はすべてみいさんより)
仮名:たわし(♀)
生後約半年(体重2キロ超)
健康状態良好
ワクチン、ウイルス検査(FIV,FeLV共にマイナス)、検便、駆虫済み
不妊手術は4月2日に行う予定です。
たわしは家族募集中です。よろしければ、皆さまのあたたかい応援をくださいね。
LOVE
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たわしちゃんの良さを分かる人の処に繋がるといいですね。ひとつ疑問があるのですが、どうして人間のお友達はドックフードを与えていたのでしょうか?
ミユさま
ありがとうございます。途中から猫フードに変えたようなのですが、最初猫のことが全然わからず、飼い犬さんのフードをあげていたらしいのです。でもその方にできる限りでとても大切にされたと私は思っています。現に洗濯ネットで保護したのはその方ですから。猫のことが全然わからず、いろいろ調べながら「不妊手術を受けさせないと増える」ところまでたどり着いて、保護をトライしました。自分の近所の方々に当てはめてもなかなかできることではないと私は思います。