私はひどい根性なしです。
外にいる猫の写真を撮ることが苦手です。
本当は外にいる猫の写真を撮りたいのですが、精神的に無理なのです。
よってほとんど外猫の保護前の写真がありません。
“百聞は一見にしかず”
野良猫が痩せ汚れた姿で生ゴミを漁るシーンを写真で見ていただけたら、幸せになったあととのコントラストをくっきりあらわすことができると思うのです。
だけどもし、捕獲が失敗したら……そしてモタモタしているうちに写真におさめた子が非業の死を遂げたら、私は保存されたリアルな現実に苛まれる気がします。
どこかで吹っ切らないとやっていけませんし、救えなかった子たちを忘れる努力をしなくてはいけません。だから写真を撮れないのです。
そのくせ無事に保護したあとは、いつも後悔します。
「あああ、外でのあの雄姿をどうして撮って残しておかなかったのか!!」
勇気を振り絞りカメラを構えても、このレベルの写真が一枚二枚撮れるだけ
心の乱れが写ってますね(笑)。
かろうじて「猫」を確認できるでしょうか?
彼は7年近く(私が知る限りでは5年以上)外で生きてきた猫です。
餌やりさんから「二等兵」と名づけられた一匹のオス猫。
もう勘弁して私の前に現れないでと本気で願うほどみすぼらしくて
名づけてくれた餌やり夫婦が引っ越してしまってからは
なおいっそうクタクタメチャクチャになって
私は彼が憎らしいと思いました。
保護したくても捕獲箱に入らないくせに、やたら私の前に現れるものですから
いったいどうしてあげたらいいのか混乱して。
長い時間をかけやっと保護したとき、私はその場に膝を折ってワンワン泣きました。
その日の記事はこちらです→ 「速報 のりまきを保護しました!!」
↓の写真は我が家でだいぶきれいになった頃ですが、誰ひとりからもスキンシップを受けたことのない彼は人間不信の表情が能面のようにはりついていました。
※写真 みいさん
FIVキャリア、重度の貧血、高齢、人馴れ(人が触れる状態のこと)はゼロに等しい。
保護当時書いた記事→ 「のりまきの未来は私の夢」
家族探しが難しいのはわかっていましたが、彼にも家族が見つかったのです。
彼の里親さんはフラットです。
里親さんは長らく海外に住んでいたこともあり、あらゆる差別を一切しない教育環境に育ちました。貧しい者を差別しない、同性愛者を差別しない、障害や病気や感染症の人を差別しない、宗教や思想や国籍や外見や肌の色を差別しない。
野良猫と血統の猫を差別しない、幼猫と老猫を差別しない、障害や病気や感染症の猫を差別しない。自分に甘えてくる猫も自分に爪を立てる猫も差別しない。
「ちがい」を学び知る努力はしても、色分けして排除することをしない。
彼にピッタリの家族だと思いませんか?
その里親さんから数日前に彼の近況動画が送られてきました。
はじめは開いていた里親さんとの距離が、こんなことになっています。
この動画を見たとき私は震えました。
外であんなひどい姿を長年見せられていたのです。日に日に傷だらけになっていく彼をうまく捕獲箱に誘導できなかった自分を心底恨みました。
記録に残すのがいやで……保護前の写真もそうですが、彼の存在自体をブログにもほとんど書けませんでした。
私の心を痛くさせるばかりだった彼が、今度は私に、こういうものを見せるもんですから、私は感極まるのです。
はじめの数ヶ月は里親さんが触ろうとするだけで攻撃モードに切り替わっていた彼が、動画では触れるのをやめようとする里親さんに「もっと触れ」と催促しているではありませんか!
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人から逃げることは得意でも、人を求めることはできなかった彼が、どうしてこんな風に私をくすぐるのでしょう。私は彼の中に「家族」が宿ったんだと思います。
アパート住民のバイクの上に乗ってしまい持ち主の男性にほうきで叩かれていた姿
大雪の中トボトボ歩く後姿
引っ越してしまった餌やり夫婦の家の前でぽつんと佇んで待っていた姿
あああ
あああ
じゅん、よくがんばった。ありがとう。
供血のお願い
(2月5日のコメントより)
「家の長男にいにの血が足りません
とんでも無いお願いですが、もしこれを見てる方で、健康なウイルスキャリア(エイズ、白血病)でないお子様をお持ちの方で、浦和方面に連れて来て頂ける方が居れば連絡ください
何度も死に掛けてるので、もう麻痺までしてるのですが、なんとこの状態から数か月ぶりに御飯まで食べるのです
でも血が足りなく、一日で無くなってしまう…
此処さえ乗り切れば、なんとかいけそうなのです
もし見てて協力してもいいって思う方が居ましたら、是非お願いします
にいには血液型はA型で一般に一番多い血液型です
そしてかつ君とあまたんと同じ白黒ちゃんです。
http://nekonooyado.blog.fc2.com/ 」
ペットシッター「にくきゅうのおせわ屋」をはじめました
お留守番をがんばるかわいい家族が「お帰り!」と目を輝かせて出迎えてくれるよう、安心・安全に最優先で心を込めてお世話します。
足立区・荒川区・文京区を中心に活動してますが地域のご相談やお世話内容など、
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本当に良く頑張った!
沢山ご褒美を受け取ってね!
私も涙が出ますよ…。
ひとりひとりにドラマがあります。
外では“全てを諦めた顔”をし、決して自分からごはんを要求しなかった子、雪の日も台風の日もびしょ濡れになりながら私を待ち、必死にアピールするが受け入れる余裕がなく、食べている姿を見ながら帰った日々(後で片付けます)やっと一緒に暮らせる様になったと思ったら癌発症。心から後悔しました。半年も一緒に暮らせなかった…。
今、うちにいる子も缶詰を食べなくて「どうしたの?これお外で食べていたのと同じだよ。」と言うと「これ食べると母さんいなくなる…」と聞こえた気が…。
食べている間に帰っていたから。
「大丈夫、もうずっと一緒!いつも一緒にいられるよ!」と話すと食べ始めました。
沢山の判断ミス、後悔を繰り返し…。
もうこんな可哀相な子を作ってはいけない。だから野良をなくしたい。
遅れた日本を変えたいですね。
台湾も殺処分がなくなります。
やる気になればできるはずです。
物言えぬ子達でも「命」として扱ってくれる社会にしましょう!
言の葉さま
そうですよね。私もたくさんの子を思い出します。だからこそこうしてじゅんの幸せな様子がたまらなくうれしいのです。この子は本当に本当に苦労ばかりしてきました。保護が遅れて申し訳ない、の一語です。これからはどんどん幸せになってもらいたいです。とてもいい家族なのできっとできると思います。
台湾……日本も遅れちゃダメですよね。