ラックとして1


お待たせして申し訳ありません。

今日は2頭の犬のお話をしますね。

【ふうきち】

ご家族に大切にされてきたふうきちくん。ふわふわ毛とアーモンドのように大きな目がチャームポイント。でもちょっとカメラ嫌い。
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お兄さんとお姉ちゃんが犬と暮らしたがったので、お父さんとお母さんは何度も家族会議を開いて話し合い、ふうきちくんを家族として迎えることにしました。

「犬と暮らすのは簡単ではない。自分が面倒を見ることになるに決まっている」

家族の中で最後まで難色を示していたのは、お母さんでした。

でも、ふうきちくんに一番はまってしまったのも、やっぱりお母さんでした。

お家を新築したとき、汚れやすい長毛のふうきちくんが快適に過ごせるよう、オシャレで機能的なシャンプー台を玄関付近につけました。

いつまでも一緒にいたいから。
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なのに突如重い病がふうきちくんを襲い、あんなに元気だったふうきちくんを、他の世界に連れて行ってしまったのです。

ふうきちくんの闘病中、ご家族はできることはなんでもしました。

ふうきちくんはまだ6歳だったからきっと治ると信じました。

だからふうきちくんのいなくなってしまった世界は、喪失感もいっそう大きく、悲しい日々だったのです。特にお母さんにとっては……。

ふうきちくんが天に召されて数ヶ月後、お母さんはもう一度犬と暮らすことを決めました。胸の痛みを乗り越えて。いや、胸の痛みはそのままで、前へ進むことにしたのかもしれません。そして、もうひとつ心に決めていたことを実行に移すことにしたのです。

「今度は、生きる場所を求めている“保護犬”を、我が家の家族として迎え入れよう」

【ラック】

狭い室内。1度も開けられることなく締め切られた窓。

暗い……息もままならない。

お散歩へ行きたい。甘えたい。

体がかゆいよ……。

伸びきってしまった毛には糞尿がこびりつき、来る日も来る日も、生き地獄の中でサバイバル。

ペット不可のアパートに最大30数頭まで増えてしまったトイプードルたち(保護時は19頭)。

寄り添い合うはずの仲間たちはここではライバル。

床に撒かれた“えさ”を、誰よりもたくさんお腹の中に入れないと。

入れなきゃ……生きることすらできない。

「ぼくたちは、なんのために生まれてきたのですか?」
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「おしっこやうんちをすると、ぼくたちは嫌われ、怒られたり殴られたりしました。

はじめはおしっこやうんちを我慢したけど、我慢はすぐ限界に達してしまう。

そこで隠れておしっこやうんちをするようになりました。

でも、見つかってしまうのです。

見つかって怒られても殴られても、ぼくはヘラヘラ笑っていました。だってぼくには、この世界しかなかったから。

おしっこをしてごめんなさい。

うんちしてごめんなさい。

もうしません。もうしません。

どうかぼくを、許してください」
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さんざんな暮らしを強いられてきた“ドン”は、姉妹ちゃんに保護されたあと、703号室で“ドンタ”になり、生き直すことになりました。

703号室はドンタにとって、雨宿りの場所であれば幸いです。
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世間では人気のあるトイプードルですが、不思議とドンタにはまったくと言っていいほど血統の高貴さを感じませんでした。生い立ちがひどいからではないのです。

なんて言うかこの子は、ただただ素朴で
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なにごとにも一生懸命!
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荒波に揉まれてきただけあってタフで
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甘えん坊
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どこか田舎臭い? 気もするし
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ごくたまに、すごい高度な計算も感じる。
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とにかく生きることにひたむきな犬です。
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そんな【ふうきち】と【ラック】がひとつのご家族を介して繋がり、同じ家に住むことになりました。とは言っても、代がちがいます。

1代目がふうきちくんで、その次がドンタ改めラック。

ドンタは、古い名を捨て、「good luck」または「楽」の意をまといラックになりました。お父さんが家族会議を経てつけてくださった新しいお名前です。

次回は本当の名を得て新たに誕生したラックの生活ぶりを写真満載でお送りします。

応援してくださった皆さま、心からありがとうございます。

乞うご期待!

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