マイ太郎さんの愛猫、さくらちゃんが亡くなりました。享年6歳。今年の1月21日、雨の降る夜、外猫だったさくらちゃんを保護したのは私なので、さくらちゃんには格別の思い入れがあります。
また、マイ太郎さんがさくらちゃんにどれだけの愛情を捧げてきたか、どのようにケアしてきたのか、間近でみてきたつもりですので、今は、ただ胸が痛みます。
永眠することで、さくらちゃんが辛い闘病から解放されたとも考えられますが、難題ばっかふっかけてくる神さまに、文句を言いたい気もします。
6年の外暮らしに耐え抜いてきた小さな女の子が、ようやく得た終の棲家。本当の家族。
どうしてもう少しだけ、一緒に過ごす穏やかな時間を与えてくれなかったのでしょうか。
先ほど、マイ太郎さんのお宅にお邪魔して、さくらちゃんにお別れをさせていただきました。
さくらちゃんの亡骸は、年頃のお姉さんのようないい香りが漂い、毛の1本1本まで、艶々でした。まるで、眠っているみたい。毛布をかけられているためか、ほんのり、あたたかかったです。
さくらちゃんに会うのは、今日が3度目。
1度目は保護した日。
2度目は、さくらちゃんへの輸血の日。
今から1か月以上前の話ですが……
その朝、マイ太郎さんからの電話を受け、あまたを連れ、さくらちゃんの病院へ向かった私は、酸素室内でのたうちまわるさくらちゃんを前に、心臓が止まりそうでした。
顔色が悪く、目を見開き、口をパカッとあけながら(猫は通常、開口呼吸をしません)、右へ左へ、所在なく体を動かし、叫び声をあげるさくらちゃん。強烈に苦しみ悶える姿をみて、私は、もうダメだ、と思いました。
まさに、危篤の状態。
命のともしびが、目の前で消えかかっていたのです。
病院の緊迫した空気。
マイ太郎さんの泣き声。
今思い出しても、胸が苦しくなるほど壮絶なシーンでした。
あまたを連れてきたところで、なにができるというのか。
失礼ながら、私は勝手にさくらちゃんの命を半ばあきらめ、失意のマイ太郎さんに、どんな言葉をかけようかと、頭の中で、必死に考えていました。
なのに、あまたの血が、さくらちゃんの体に入った途端、さくらちゃんが蘇ったのです。
鼻や口が、赤みを帯び、呼吸が落ち着きました。表情も和らぎました。
輸血がはじまって、まだ間もないのに、さくらちゃんが猛スピードでこっちに戻ってくる。
どんどん、どんどん。
元いた場所に、帰ってきてくれたのです。
生と死の狭間で、ものすごく、努力をしたことでしょう。
「わたし、生きたい」
さくらちゃんの全身が、そう訴えているようでした。
さくらちゃんが命を再び宿す瞬間は、光を失い、落ちこんでばかりいた頃の私にとって、あまりにも鮮烈で、私は、さくらちゃんの10分の1もちゃんと生きていなかった自分を恥じました。
輸血中のさくらちゃん
輸血後のあまた
犬や猫は、言葉を話しません。
だけどいつも、貴いことを教えてくれるんですよね。
さくらちゃん、見事でした。ありがとう。
さくらちゃんのように、私も一生懸命、自分の命を生きようと思う。
さくらちゃんの冥福を祈ります。
さくらちゃんは長いこと苦労しましたが、不幸な猫さんではありませんでした。
マイ太郎さんが自分の身を削りながら、守った命です。
誰かにとって、特別な存在になれるって、幸せだよね。
家族のいない犬猫たちだって、みんな、家族がほしいよね。
こうやって過ごすことを夢見て、地を這い、歯を食いしばりながら、生きているのよね。
今日、さくらちゃんにお別れのあいさつをさせてもらいながら、心に誓いました。
私にも、冷たい土の上で逝かせたくない子がいます。
だから、今いる保護猫たちのご縁を繋いだあと、必ず迎えに行きます。
どうかそれまで、私を待っていてほしい。
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