数日前、出先から戻り家の扉を開けたところで電話が鳴りました。
出てみると以前外猫保護のときに関わった男性の声がしたのです。
素なう(麦)、寿子(このは)、さんきゅう(サスケ)、海子(もも)、サラダ(大吉)、私は男性の住まいの付近で合計5匹の成猫たちをスカウトしました。最後に保護したサラダ改め大吉は、とても若いのにFIVキャリアに感染していたし、どの子も苦労がにじみ出ていてみすぼらしかったです。
男性の話によれば、3か月前に耳カットをされた成猫が突然現れるようになり、アパートの入り口でごはんをねだるようになったそう。このアパートを覚えている方も多いのではないでしょうか? ここで産まれた海子改めももの子猫たちは、全員行政に殺処分されたんです。
今も忘れられない理不尽すぎる話でした。
住民の迷惑になるという理由で、母猫の海子にも魔の手が伸びそうになったことを知った私は、気力のすべてを振り絞って海子を保護。以後数年は落ち着いていたアパートにこの度再び問題が起きたのです。猫に無関心な人からすれば取るに足らないことかもしれません。
けれど私にとっては一刻を争う切迫した事態です。
外猫の面倒を見るのが好きな男性は、新たな猫の登場を喜んだにちがいありません。
しかし最近になって、2Fの住民の息子(高校生?)が出入口を塞ぐ猫を邪魔がり、怒鳴ったり蹴ったりするようになりました。男性はしばらく迷っていたようですが、私に連絡してきたのです。
それなのに猫を迎えに行くと告げると「明日以降でいい」って……。
急に私に連れて行かれるとさびしいんですよね。
男性の気持ちはなんとなく理解できるのですが、私はモタモタしません。
捕獲箱はぜんぶ貸し出し中なのでとりあえずキャリーを持って現場へ向かいました。
はじめまして。あなたね。私寝違え痛で右腕があがらないの。暴れないでね。
twitterにあげた動画を観た方は男性と私の会話をご存知ですよね?
「野良のままのほうが幸せかもしれない」
男性は私を呼んでおきながら、しきりにそう繰り返していました。
きっと男性は満たされた家猫を見たことがないのでしょう。逆に私は野良のままのほうが幸せだった猫を1匹も知りません。野良猫は自由なんかではないのです。
足蹴にされてもまた来てしまいます。甘えたいし腹が減るのです。
「ここにいればごはんもらえる。このマットはやわらかいからお気に入りなの」
猫をいじめる人間と、猫の世話をしている男性が同じ建物内にいます。
ほかに頼る者がいないこの子は通いつづけるしかなかったんですよね。
男性と話し込んでいたら、猫がいったん消えました。
それだけで私は苦しくてたまりませんでした。
ダメだ。連れて帰らないと精神衛生上よくない。
チーズを手に待っていると、飢えた猫が戻ってきました。
猫がチーズに夢中になっている隙に、抱っこでキャリーバッグに押し込み、スカウト成功!
「やーん。さらわれちゃった……」
翌日、emi-goの病院に預けました。
emi-goから届いた写真です。
「いい子だから大阪ちゃん(emi-go病院の凶暴な保護猫)と取り替えてください」
のメッセージ付き(笑)。
ダメダメ。うちだって怒りんぼ娘のすずらんがいるんだからね!
名前はリタにしました。ふふ。由来はちゃんとあります。ちなみに女の子でした。
プライベートが激変する中で猫を保護するのは正直しんどいです。でも私はリタをキラキラのスターに磨きたい。彼女に素晴らしい生き方を提案したい。
リタ、我が家にはあなたが必要です。すぐに病院に迎えに行くからね。
LOVE!
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