1ホームドクターと愛犬の生


昨夜は、深夜まで白猫の捕獲をがんばりましたが、猫の方の警戒心が強すぎて、ダメでした。姉ちゃん、つき合ってくれてありがとうね。猫についてはひきつづきトライします。

昨日の昼間、ベベを連れて大師へ。いつもはうちのお子たちや、卒業生のことも祈祷するのですが、昨日はベベのことだけをお願いしました。べべは内視鏡検査を控えていたからです。

うちのベベは、現在1日6種類の薬を飲んでいます。
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●バキソ
●ウルソ
●ザンタック
●アルサルミン
●フラジール
●マイトマックス(サプリ)

食べれるご飯は一種類のみ。食べれるおやつも一種類のみ。

それでも、元気いっぱい。ボールが大好きで、いつもちょこまか走り回っています。もうすぐ10歳のおばあちゃん。だけど私にとっては、まだまだヨチヨチの赤ちゃん。

本当は今日、先週末のオフ会の様子をUPする予定だったんですが、どうしても今、ベベの闘病について書きたいので、オフ会記事を楽しみにしてくださっている方、ごめんなさい。

そして、長くなるので、興味のない方はスルーしてくださいね。

2008年1月25日(当時ベベ6歳)

卒業犬タロ&タロパパさんと一緒にMOMOペットクリニックへ。タロ&ベベを大巻先生に預け、健康診断をお願いしました。軽い気持ちで受けさせた健康診断。ベベは明らかに、健康でした。

ところが、大巻先生は、ベベのレントゲンをみて、胃に写る小さな白いカスのようなものが気になると言い出したのです。血液検査もエコーも、異常なし。

この小さなカスがなんだっていうの?!

大巻先生がいつもに増してしつこくこだわるのが不思議でした。

「これは……もしかして、カルシウム沈着? だとすると、腫瘍の恐れがあるかも」

「腫瘍ですって? 先生、勘弁してよ。こんなに元気なんだから」

「はい。なんでもないといいのですが、念のために、今夜は絶食させ、明日再度検査しましょう。バリウムで造影をみてみれば、このカスの正体がわかるかもしれません」

「食べカスかなにかでしょ?」

「かもしれませんが、念のために」

アレルギーの持病を持っているものの、誰よりも元気で誰よりもよく食べるベベが、病気なんかになりっこない。けれどなんとなく、私は、翌日バリウム検査を受けさせることに。

――結果、私は診察室の地面に倒れこんでしまったのです。

バリウムで膨らんだ胃の中に、直径3cmにも及ぶ腫瘍らしきものが……2つも。

ベベは6キロしかありません。胃は小さいのです。その胃の中にこんな怪物が潜んでいたとは。

絶句。

呆然。

信じられませんでした。
なんでこんなになっているのに、べべは自覚症状を訴えないのか?
ベベの、かすかな変化すら感じられなかった。

「先生、どうすればいいんですか? 手術で治るんでしょ? いつ手術します? べべは完治するんでしょ? こんなになっているなら早く取っちゃってくださいよ、先生!」

私はもはや、半狂乱。

「ここまで大きくなっていると、良性腫瘍だとは思えません。取ってみないことにはなんともいえないけれど、悪性の場合、つまり、胃がんですが、胃がんはほ とんどが、“腺がん”です。腺がんは予後が悪く、たとえ手術をしても、半年生存率が低いのが現実です。それでも手術を、と仰るなら……」

「え? なんですって? 手術をしても、半年生きられないこともあるの? 半年生きられないって、なんじゃそりゃ。このベベが、半年生きられないかもしれないって?」

私はもはや狂人のレベルでした。先生も呆れていただろうな(苦笑)。

2008年1月29日(当時べべ7歳)

積極的な治療を開始するために、まずは内視鏡検査を行うことに。
この日はベベの7歳のお誕生日でした。まさか7歳のお誕生日をこんな形で迎えるとは。でも、嘆いている余裕もありません。手術を考えるなら、早急に内視鏡検査を行い、腫瘍の位置や大きさを確認しなければならないのです。

当時、MOMOペットクリニックには内視鏡の設備がなかったため、梅島動物病院で内視鏡検査を行いました。もちろん、大巻先生も一緒です。梅島動物病院の 院長先生は、かつくんの担当医でしたし、梅島動物病院は、大巻先生が独立する前に働いていた病院ですから、安心できる場所なのです。

内視鏡検査が終わって、チチと共にモニター室へ呼ばれました。

大巻先生も、院長先生も、無言でした。

そして、画面にはベベの胃の内部が映し出されたのです。

画面をみた私は、不覚にも、その場に泣き崩れました。

赤黒く、想像よりはるかに大きな怪物の正体。これから闘う相手が、ここにいる。

ベベの内側に、こんな大きな腫瘍が、がんが2つも!!

「手術で……取りきれるんですよ……ね? ね、ね、先生?」

大巻先生も、同席してくれた梅島動物病院の院長先生も、なにも答えてくれませんでした。

べべ、あの日7歳になったベベは、全身麻酔から覚めた後、お母さんの顔をペロッと舐めてくれたよね。ごめんね。取り乱した姿をさらけだして、心配をかけてしまって……。

8歳のべべ

9歳のべべ

10歳のべべ

11歳のべべ

12歳のべべ

13歳の……

ベベは当たり前に年を重ねていくんだと思っていたから、悲しくて仕方がなかったの。

でもお母さんは、あの日決断しました。

ベベと共に、絶対に闘うって。

そのためになら、なにを失っても惜しくはないって。

日本一、いや、世界でみてもトップレベルの「シダ先生」に出会ったのは、それから間もなくのことです。だけどその頃は、1分1秒がとてつもなく、長く感じられました。

私の太陽が、病気になってしまったから。
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かつくん「今からMOMOへベベちゃんを迎えに行くらしいので、つづきは今日中に書きます。長くなりそうだけど、興味がある方は読んでくださいね。ベベちゃんの病気を見つけた大巻先生は、703号室にとっては神様なんだよ。最高のホームドクターだよね。

だってね、ベベちゃんは、大巻先生の病院で健康診断を受ける数ヶ月前、違う病院で健康診断を受けたんだよ。その頃すでに胃がんだったにも関わらず、その病 院では、ベベちゃんの病気を見つけることができなかったの。もしもあの時、大巻先生がいてくれなかったら、ベベちゃんは今頃、この世にはもういませんでし た。

それに、あの頃は、ぼくを失ったばかりだったから、ハハは一段と神経質になって、数カ月おきに、ベベちゃんたちに健康診断を受けさせてたの。

自覚症状が出てからでは遅い。そういうことがあるんだって、ハハは身をもって知りました。

ベベちゃんの第一回目の手術を担当してくれたのは、腫瘍にかけては右に出るものなし、日本一のシダ先生なんだよ。神の手シダ先生の手術のお話はこの後つづきます。

多分、シダ先生のことは、はじめてブログに書くんじゃないかな?

ハハの本、それでも人を愛する犬をよろしく!

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703号室かつくん

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