一昨日の夜、ベベの体をなでていたら、突如しこりをみつけてしまい、仰天しました。しっぽのまんなかあたりに1.5cmの巨大な腫れもの。赤黒いそれの周りは、見事なほど毛が抜け落ちていました。
なに、これ。
いったいいつからできているのか。
昔からあるものではないことは明らかですが、では、どれほど前にできはじめたのか、見当もつきません。母親失格です。ベベだけと向き合っていた頃なら、おそらくすぐ発見したのに。
自己嫌悪と心配でうまく寝つけず、安定剤を飲んだ後も、布団から這い出て、ネットで「犬 皮膚 しこり」を検索しまくりました。
しっぽのガンはあまり聞かない。
でも安心できません。なぜなら、サイトに書かれていた文言はどれも私の肝を冷やすものばかりだったのです。
「赤黒いしこりはガンの可能性大」
「急激に大きくなるものは悪性度が高い」
ざわざわした胸騒ぎは、どくどくと巨大な心音にかわり、もう息を吸うのもやっとでした。
「胃ガンの次は、皮膚ガン……?」
ほとんど一睡もせぬまま、ベベを連れてMOMOペットクリニックへ。病院へ向かう車内で、こちらを見上げるベベの頭をなでていたら、涙がこぼれそうになったので、思わずベベから視線をそらしてしまいました。
病院へは予約もせずに駆け込んだのですが、一番乗りだったため、すぐに診察室へ通されました。
「ああ、これですか……ちょっとみてみましょう」
大巻先生は、慣れた手つきで注射器の針をべべの患部に差し込んで液体を抜くと、朗らかに笑って私の方を向きました。
「ガンじゃない可能性が高いです。ってか、これはガンじゃないと思います」
「ガンじゃない? 先生本当ですか?」
「ええ。念のため詳しく調べますが、しこりから液体がプシューと出て、しこりが消えたでしょ? ガンならこうはいきませんから」
余分な力が体からスーと消え、眼下にバラの花園が広がっていく感じ。寝ていないのもあってか? ナチュラルハイの状態が続き、待合室へ戻った後は、いつもはしないのに、他の患者さんに話しかけてしまうほど気分が高揚しました。
宇宙よありがとう。
地球よありがとう。
海や空や大地、もう万物に感謝です。
みなさんありがとう。
そして、べべ、ありがとう。
行きの車内とは何もかもが違って見えたはずの帰りの景色。
ふと、助手席におさまるベベをながめていたら、先ほどの涙が涙腺を突っつくではありませんか。
ダメダメ。泣いてはダメ。
こんなに喜ばしいのに縁起でもない。
ねえ、べべ。
ベベが笑ってくれました。
その笑顔をみて、気づいたのです。
ベベがわがままとか、ハイパーすぎるとか、甘えん坊で困ってしまうとか、いつでも私がベベの先頭に立ち、ベベを導き、守っているつもりでいたけれど、実は違っていたんですね。
甘えん坊は私の方。
9年半もの間、私はベベの存在にどれほど甘えさせてもらったか。
ベベの優しさや、快活さに何度救われたか。
ベベがガンかもしれないと思うだけでこんなにも苦しくて、ベベのしこりがシロだと分かっただけでこんなにも嬉しいなんて、この小さな体に依存し、すべてを預けている私は、なんて甘えん坊なの。
ねえ、べべ、お母さんの方がベベにベッタリだよね。ありがとうね!
「いまごろ気づいたの?」
ベベのこの笑顔に、バンザーイ
かつくん「ベベちゃん、よかったね。大きな病気を経験したし、2度も手術しているから、“ガン体質”じゃないかと疑って、ハハはドキドキしていました。ハ ハは神経質だけど、昔はこうじゃなかったんだよ。なかなか病院にも連れて行ってくれないほど大雑把な女でした。でも、ぼくを失って、ベベちゃんの闘病や ら、コロちゃんを失って、その前後でたくさんの犬猫たちと関わり合ううちに、“心配”がジワジワ広がって心の中の大部分を占めるようになっちゃったの。そ して今のハハが形成されたのです。
命の数だけ心配もあるし、命の数だけ喜びもあるんだよね。
そのどちらも、ハハの糧になりますように……。
ミルク一家の話ばかりで、703号室のメンバーの登場回数が減っているのがぼくとしてもさびしいけれど、ちょこちょこ小出しに書くって。
ミルク一家は家族募集中だから、優先しないとね。
ハハの本、それでも人を愛する犬をよろしく!
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ペットシッター「にくきゅうのおせわ屋」をはじめました
お留守番をがんばるかわいい家族が「お帰り!」と目を輝かせて出迎えてくれるよう、安心・安全に最優先で心を込めてお世話します。
足立区・荒川区・文京区を中心に活動してますが地域のご相談やお世話内容など、
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