何度でも


名前を呼びながら、階段を登っていく私に、反応はありません。

一番上の段まで登っても、尚。

「ユキ、ユキ」


ユキは眠ったまんまです。この写真、皆さまには老犬に見えますか?
私は何故か、赤ちゃんのように見えるのです。
写真を撮っても気が付きません。

名前を呼んで、4度目でようやく目を覚ましました。


「お散歩へ行こう」

その温かい頭を撫で、リードをつけると、ユキはようやく立ち上がり、私と一緒に階段を降り、公園へ向かいます。べべが子犬の頃からユキとお散歩をしているので、かれこれ7年弱の付き合い。ユキはこの7月には、もう13歳になります。

1000回は通ったユキの家への道。
目を閉じていたってたどり着く。

継続は、絆なり。

公園についてちょっと休憩。ユキは地面の匂いに夢中になって顔を向けてくれません。


首輪を掴んでやっと撮れた1枚。なかなかの美人さんです。


ユキはこのブログには、年に1度しか登場しません。

去年の記事はこちらです。

7年前に出会って、色んな事を経てこうやって共に歩く。
私にとって、無二の友人です。

ユキとはじめて会ったのは、行きつけのコンビニの近くでした。ユキは全身傷だらけで、やせっぽっちで、その体型とは裏腹に妊娠したお腹が地べたにつきそう でした。ボロボロの首輪をはめていたけれど、リードはなく、放浪しているようでした。近所に住む一部の石頭連中は、やれ汚い犬だの、やれ臭いだの、うちの 縁の下で子犬を産んだら大変だから柵を増やそうだの、保健所へ連絡しないと近所の子供達に危害が及ぶと言ってはユキを罵り、ユキはその辺では、悪名高い犬 でした。

2度目にユキに会ったのもやっぱり近所のコンビニ。
私が酔っ払って帰ってタクシーから降りた所、目が合いました。

「まるちゃん」
当時はユキの名前を知らなかったので、勝手にまるちゃんと呼んでいたのですが、そう呼ぶと、ユキは私に駆け寄ってくれました。

その後、また何度も近所でユキを見かけたので、何ヶ月も費やし尾行して、ようやく家を突き止め、当時、だらしなかった飼い主のご機嫌を取りまくって、不妊 手術、ワクチン、フィラリア投薬などのケアを私がさせてもらうようになりました。放し飼いにして欲しくない事から、散歩だけは行って欲しいとお願いしたの ですが、面倒だと言って叶わず、私が毎日行くことに。それがユキと出会った経緯です。

べべはまだ子犬。ナナかつリルなんて、この世に生まれてもいません。

その頃出会ったユキが、今こうして元気で暮らしている。

その事が私の誇りです。

数年前、私が毎日お散歩へ行ってるにも関わらず、飼い主がまたユキを放し、ユキは40日行方不明になりました。これでもかと言う程探し、ようやくハハ妹がユキを見つけ、飼い主に返した頃から、飼い主の男性に異変が現れるようになりました。

少しずつ、少しずつ、ユキを愛するようになっていった。
私に、心のこもったお手紙をくれたりもするようになりました。

だから今は毎日通っていません。
飼い主が室内犬として飼い、自分で毎日お散歩させています。ユキは少しずつ、幸せになってくれた。医療や食事などのケアも全部私の自己負担だったのです が、驚く事に、飼い主がここ近年、狂犬病の予防ワクチンだけはしてくれるようになって、ユキの首から注射済札がぶら下がるようになったんです。7年前の飼 い主の姿からは、到底想像がつかない状況。ここまで変わるとは思いもしませんでした。

フィラリアやワクチンなどは引き続き私が行っていますが、私にとってこの進化も、誇りそのものです。

7年前の私は、犬や猫の境遇を知ったばかりで、どうしたらいいのか?何をすれば彼らを助けられるのか?そればかり考えていました。そして変わりたいと願っていました。

人は、変わりたいと切に願ったその瞬間から、既に変化し始めている。
私も、飼い主も。すべての人が。

ユキのこの、静かな幸せは、私にとって自分が有意義に呼吸をしている証拠。大きなことは出来ないかもしれないけど、自分の周りを少しだけ良い方向へ導いたとすれば、それはそれで幸せな人生です!ユキと出会えて、運がいいです、私。

だから何度でも、何度でも、ユキに会いに行きたい。
何度でも、何度でも、ユキにありがとうを贈ります。

「ユキちゃん、今日はお天気が良かったからお散歩気持ちいいでしょ。戻ってきたハハはワインを一口飲んで、それから更新して、その後掃除に取り掛かるん だって。ユキちゃんの存在が、ハハの生きがいだから、ずっとずっと元気でいてね。そして来年の今頃も、また可愛い姿を皆に見せてね。ランキングに参加し ているので良かったらぽちっとクリックして応援してね。かつくんより。」

703号室かつくん&なな

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