「萌乃 おれが守るな」 「うーん……わたち さぶにい 飽きた」
703号室は保護猫萌乃の家族を募集しています。お問い合わせをお待ちしています。
その日、私たちは卒業猫クレア(つみれ)のお見合いとアミの写真撮影のため里親まりおさんちに向かいました。
窓越しに出迎えてくれたのは野良猫時代のアミが産んだおはなちゃん
母猫アミより一足先に保護され、まりおさんちの愛猫として生きています。
まりおさんちの玄関先には捕獲箱が
家のいたるところに猫がいます。
黒猫いいね^^
ご夫婦で保護猫こぐまちゃんの飛び出しに注意する張り紙が。まりおさんは慎重な方です。
ゆきちゃんのお届けの際、スッキリだった和室が超保護部屋に……
私たちが譲渡した幽霊白雪姫は2Fに逃げ込んで会えませんでしたが、家族募集を控えたアミの写真をたくさん撮りました。写真を撮るマイ太郎さんを撮る。
「この人たちやだーーーーー」
「かわいい顔なんかしないから」
「緊張するなあ」
「早く終わらないかしら」
漆黒の美しいモデルさんです。
シュシュつけてキラッと目立つようにしてみました。
ツキノワグマの赤ちゃんかよ?
ベージュのユニクロジャンバーを着た私があやす役
アミ、がんばっていい写真撮ろう!
外猫時代から面倒を見て、保護後も珠のように育ててきたまりおさんの心中は複雑だと思います。できることならお嫁に出したくないでしょう。でも頭数が増えつづけているので全頭をじぶんで抱えることはできないのです。
こういう場合の私の役割は、つとめて平然と「素」を出しまくり相手を引かせ、ペースを崩してしまうことだと信じていますのでこの日も当然そうしました(笑)。
感傷的な話など、まりおさんは絶対にしたくないはずです。
今日は長くなりますが、お時間のある方は最後まで読んでください。
すべてを書くには時間が足りませんしまだ整理できていないので概要だけをさらっと。
昔、私はまりおさんに大きなウソをつきました。
当時私はまりおさんを守る楯になりたかった。だからウソをつくことにしたのです。
数年前、私は譲渡した動物たちをある家から返還してもらいました。無理やり取り返したのではなく、待ち合わせたカフェに連れてきてもらったのです。あちらが強く望んだことでした。
仕事中に譲渡先の家族のひとりからその家で起こっている耳を疑うような実態を聞かされた私は、いろんな感情を抑え冷静に話し合い、相手の希望を聞きました。私の中ですでに結論は出ていましたが、まずは相手に投げて相手の望むことを知りたかったのです。
相手が動物たちを返すことを希望したので私は黙って受け取りましたが、直後から意味不明の理不尽極まりないトラブルに巻き込まれ、それまで味わったことのない恐怖を感じました。そして生まれてはじめて警察署に駆け込み、弁護士もたてたのです。
あの状況の中、「やっぱり動物を返せ」と言われて私は返せるはずがありません。それをしてしまったら、動物たちに申し訳なくて人として顔を上げて生きていけないです。
でもいちばんひどかったときは、ふっと考えたこともあります。
「ここで返せば……楽になれるのかな?」
信じがたい事実に私は気力をほとんど失いました。でも、人を悪く言う以前に、いちばん呪ったのは「未来を予見できなかった自分自身」でした。
あの頃の私は悪夢の中にいるみたいでとにかく圧迫に耐え抜く力がほしかったです。
帰ってきてくれた動物のご縁探しをするために私はマイ太郎さんの力を借りました。
マイ太郎さんに表に立っていただいたのです。マイ太郎さんには心から感謝しています。
私たちは再び同じ家庭に取られることを恐れ細心の注意で譲渡先を決めました。もちろん経緯を伏せ水面下で。そうして出会ったのがまりおさんでした。
担当弁護士と相談。「民法上、善意の第三者の立場がもっとも強い」のを活用し、まりおさんには一切を伏せました。なにが起きてもご迷惑をかけないようにするために。
※ 民法上の善意の第三者とは当事者間に存在する特定の事情を知らない第三者
以後、事情を伏せた譲渡に私は苛まれつづけることになり、まりおさんのお人柄を知るにつれこのままでいいのか頭を抱えるようになりました。
一体なにが正しくて、なにが正しくないのか。
長い時間を経て交流が深まるにつれどんどん本当のことが言いづらくなりましたが、精神的限界を迎えた私は、マイ太郎さんに打ち明けまりおさんに告げる了解を得ました。
「アンちゃんがそうしたいなら、そうしたらいいよ」
そして電話口でまりおさんに土下座しながらあますことなく打ち明けたのです。
もうこれでこの方とのご縁は終わったと思いました。まりおさん側から見たら私はとんでもない嘘つきです。許せるはずがありません。どう償えばいいのか……。
電話口に沈黙が走ったあとまりおさんはこう仰いました。
「全力でうちの子を守ってくれたんですね。どうもありがとうございました。今のお話を聞いて、私は余計にお二方を信頼できると思ったし、うちの子を幸せにしたいと思いました」
まりおさんの落ち着いた声のトーンが私の涙腺を刺激して涙が止まりませんでした。
少したって、私はマイ太郎さんとともにまりおさんご夫妻に謝罪に伺いました。
謝罪に伺ったのに、なぜかイタリアンをごちそうになるという^^;
私の人生で起こることはいいも悪いも「勉強」にすぎません。
しかしできるなら、もうあの勉強だけは二度と勘弁です。
正直、いっそ保護活動をやめてしまおうかと真剣に悩んだこともありました。弁護士のアドバイスでブログには書けませんでしたが、それくらい壮絶な体験でした。
けれどおかげで、まりおさんと出会え、まりおさんの保護猫の譲渡を一緒にやらせてもらえています。ありがたいのひと言ですね。
ちなみに今は大丈夫ですのでご心配なく。いろんなことをはかりながら出しています。
書こうか迷ったのですが、じぶんの心に従い行動しました。謝罪を終えた今、私は人として恥ずべきことはひとつもしていないつもりですので、いいかなと。実はまりおさんが「もうなにがあっても大丈夫だから、早く書いちゃえ!」と背中を押してくれています(笑)。
誤解してほしくないのは、誰かを批難したくて書いているのではありません。
まりおさんと私の縁を書きたくて……書く上で概要にふれる必要があったのです。
ずっと前の話に逸れてしまいました。
次回はお見合いの様子を簡単にご紹介し、お届けへ一気にGOします。
マイ太郎さんのママさんおいしい手作りジャムありがとうございました。
まりおさん、いつもおみやげありがとうございます。
LOVE!
ペットシッター「にくきゅうのおせわ屋」をはじめました
お留守番をがんばるかわいい家族が「お帰り!」と目を輝かせて出迎えてくれるよう、安心・安全に最優先で心を込めてお世話します。
足立区・荒川区・文京区を中心に活動してますが地域のご相談やお世話内容など、
⇒足立区のペットシッター にくきゅうのおせわ屋をご覧ください!