NANA1 始動


昨日は、ユキちゃんと一緒に里親会に出した子猫を杉並区まで届けてきました。幸せになった様子は、近日中にUPします。

さて、私がよく受ける質問の中で「何故、この活動を始めたのか?」や「何故、ナナを里子に出さなかったのか?」があります。自分の中でうまく整理できな かったので、今まではあまりふれませんでしたが、土手出身のACOが703にやってきた経緯をまとめることが出来たので、ちょっと書いてみようと思いま す。長くなるので分割します。
今からこの活動を始める方の何かのきっかけになれば幸いと願いを込めて。

この活動は、啓蒙から始めました。動物愛護法再改正を求める署名運動に参加し、署名用紙を持っていろんな場所を歩きました。快くサインしてくれる人、戸惑 う人、何があってもサインしない人……。署名用紙を片手に、よく土手へも行きました。犬の散歩をしている人が多いからサインを頼みやすいのです。

ある日、いつものように署名用紙を持って土手へ行って、1頭の子犬に出会いました。生後1ヶ月半位のチビちゃんです。ホームレスの男性が飼っていました。 甘えん坊の可愛い子で、ヨチヨチと歩いている姿を見て、私は戸惑いました。誰の目にも衛生環境が悪く、儚い子犬だったからです。目の前の難題に、既に逃げ 出そうかと考える自分が居ました。

“どうする?”
心の中で何度も呟きます。

一旦帰った後も子犬のことが頭から離れませんでした。このままでは、死んでしまう。何か大きな病気にかかって、あるいは車に轢かれて……。家にいても気が落ち着かないので、ホームセンターで沢山のフードや蚊取り線香を買い、再び土手へ向かいました。

「お土産を持って来ました。良かったら子犬に食べさせてください」
子犬の周りには数人のホームレスが。
「ありがとう。お姉ちゃん。悪いな」中の一人が私に言いました。

しばらくその場をうろついて飼い主を突き止めた私は、唐突に言いました。
「……あの、この子くれませんか? こんなところではこの子は幸せになれない」
「ダメだ。リュウは俺の犬だ」当然の答え。
「じゃあ、予防注射とか、そういうのは連れて行ってもいいですか?」
「注射?」
「はい」

いいな。リュウは。俺にも注射してくれよ。なあ、お姉ちゃん。おっぱい見せてくれよ
これが私と彼らが最初に交わした会話でした。

あ、ご安心を。
約5年経って、今私におっぱいを見せろと言うホームレスは一人も居ませんので。

でも、当時の私は、大勢の男性の中に一人で入っていくことに抵抗を感じていました。そして、女性であることがホトホト嫌になったりしました。どうにか子犬 を注射へ連れて行くことは出来ましたが、フィラリアの薬を定期的に飲ませたかったので、どうすれば土手へ通えるようになるのか考えました。今ほど行動的で はありません。ただ、悩む日々が続いていたのです。そして、この活動のスーパーパイオニア、マルコブルーノさんに相談してみることに。

マルコさんは、当時山梨の犬捨て山で400頭の犬達を抱え(現在はマルコさんの尽力で150頭にまで減りました)多忙極まる生活を送っていました。日本へ 来て、犬猫の惨状に耐えられずこの国で活動を続けています。私達が目を背けがちな事柄に真摯に立ち向かい、今尚この国に居残って、恵まれない犬猫をケアし ています。マルコさんに日本人の血は流れていません。ただ、熱い血が流れているだけです。
マルコさんの所には、家族を待ち続ける犬が150頭居ます(猫も居ます)。
興味がある方は、マルコさんの動物愛護支援の会を是非見てください。1歳に満たないラブラドールや小さい柴犬も居るそうです。勿論、殆どの保護犬は、いわゆる雑種ですが。

メシアは、当時右も左も分からなかった私の話を真剣に聞いてくれて、素晴らしいチャンスをプレゼントしてくれました。
「土手へ一人で行ってはいけない。あなたが真剣な思いで頑張るのなら、いい方を紹介しましょう」
そう言って紹介されたのが、今も一緒に活動しているIさんとKさん。
お二人は、私よりずっと年上で、私より遥か前から地元を中心に犬猫の保護活動をしている女性です。保護活動のいわば大先輩。リュウの他にも土手には多くの犬が居るのですが、IさんとKさんはずっと昔からその子達の不妊手術やフィラリア予防をしていたそうです。

え? 土手にはいったい、何頭居るの?
話を聞きながら不安に駆られましたが、彼女達と土手へ初めて行った日の心強さを今でも覚えています。

「私もこんな風に強くて優しい女性になりたい」
そう思いました。

ようやく念願叶って、リュウにフィラリアの薬を飲ませることが出来たあと、私は誓いました。どんな病気からも必ず守る。一生守る。リュウが生きていてくれる限り。

リュウの事について、飼い主の男性が教えてくれました。
元は7兄弟で(オス5頭、メス2頭)他の6頭は土手の中の違うエリアで暮らしていると。ええ? ってことは、あと6頭の赤ちゃんが土手に居るのね。しかもメスが2頭! 増えるのも時間の問題だわ……。

何とかしなくては!

違うエリアで暮らす6頭の中に、ナナが居ました。
ナナが我が家にやってきたのは、それから1年半後。

当時、他力本願?だったので、役所にリュウや兄妹犬の事を相談しました。
けれど最悪な答えが返ってきたのです。
「土手の犬なんか、どうでもいいじゃないですか」
これ、本当に言われた言葉。

「増えちゃいますよ! すごい数になっちゃいますよ」と私が訴えても
「増えたっていいじゃないですか。こちらには関係ないし何も出来ません」
これも本当に言われた言葉。

長くなりましたので、今日はこの辺で。

IさんとKさんが遥か前から面倒を見てきた犬達
(データー保存をしていなかったので、写真をカメラで撮ってみました。かなり見づらいのですが)


10頭以上居た犬達の半数は、焼かれたり事故で死にました。現在は5頭残っています。


ナナの兄、リュウは今も、土手で懸命に生きています(約5歳)


最近のリュウとナナ(土手へ会いに連れて行きました)


そして、今日のナナ


生きることを許されなかった土手の犬、今も懸命に生きる土手の犬、そして土手の中でも一番過酷な環境に居たナナに、この下手な文章全てを捧げます。良かったらまた続きを見てください。

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