※ブログをたくさん書いています。日々サクが登場しますのでほかの記事もぜひ※
私は都内のマンションの一室にて、サクと共にサクの未来のご家族へ手紙を書いています。
未来のご家族がサクに少しでも興味を持ってくださるよう祈りながら。
Ⅰ サクと私が出会ったのは、大きな道路に面したとあるコインパーキング。
まだ寒い2月の終わり。今よりふたまわりほど小さな体。車を停めようと近づいても、その場から離れなかったサクの姿が印象的で、つい近くへ寄って凝視。
サクは鳥の羽を一心不乱に食べている最中でした。
猫と暮らしている私には、「猫の標準」がわかります。
サクは並外れて痩せており、白いはずの被毛部分は汚れきっていました。
手足なんかはもう、まっ灰色。それもかなり濃いめの、ドロドロした・・・・・・。
棒のようなサクから感じた一語は「生活苦」。
出会ったときのたったワンシーンでサクの大変な暮らしぶりがこちらに伝わってきたのです。ここにいても車に轢かれるかいずれ餓死病死するか、そのどちらかにちがいありません。おそらく私以外のだれが見ても、サクが豊かな生活を送っている風には映らなかったでしょう。
死の雰囲気の中にいて、サクの力強さを感じ取ったのは、鳥の羽を食べているときの表情。
そりゃもう、顔の筋肉を精いっぱい使って、いっしょうけんめいだったのです。
サクが生きるのを諦めていないなら、サクの手助けがしたい。お節介の私はサクとサクの後ろの塀の上にいたきょうだいらしき猫(セス)を連れて帰ることに決めました。
※当時のブログ記事↓ (保護経緯と保護直後の通院の写真などがあります)
Ⅱ サクとセスと私の家族の共同生活がはじまりました。
きょうだいのセスに比べ、サクは警戒心が強く、なかなか心を開こうとしませんでした。それでもサクなりに、ちょっとずつちょっとずつ、人間とのコミュニケーションをおぼえていったのです。
セスが良縁を得て、セスの家族の元へ旅立ったあと、サクに急に情緒不安定の兆しがあらわれました。セスとふたりでなら静かに入っていられたケージで、サクは大きな鳴き声をあげるようになったのです。けれど鳴き声は10日でピタッと止みました。
そして鳴かなくなったサクは、いえ、「泣かなくなった」サクは、サクのペースではありますが、ぐんぐんこちらへ向かってくるようになったのです。自分の気持ちに決着をつけたんですね。
さわろうとすると飛び退いて逃げていたサクが、私の横で添い寝するようになりました。
ケージに入れなくても、盗み食いや食べものに関するいたずらをしなくなりました。
ごはんをうるさく催促しなくなりました。丸飲みしなくなりました。飢えの苦しみからサクはようやく解放されたんです。
撫でると目を細め、喉を鳴らすようになりました。
まだ1度きりですが、私に長いキスをプレゼントしてくれました。
うちの闘病中の老犬たちに毎朝スリスリ体をこすりつけて愛想よくごあいさつをします。
うちの闘病中の老猫たちと仲よく「のほほん」を学んでいます。
リビングのいたるところに転がって、お腹を出して眠るようになりました。
無防備のサクは私の涙腺にしみるのです。
うちの猫のトイレの始末役(砂かけ)を喜んで買って出ています。
朝陽を浴び、ごはんを平らげ、日が傾くまでリビングの中で太陽を追いかけ日光浴。
ときどき、ねこじゃらしをひとりで転がして遊ぶ。トイレットペーパーを引き裂いて私に怒られる。
サクと目が合っただけで、サクの考えを察することができるようになりました。
すべてはサクが鍵のかかった心を、オープンしてくれたおかげです。
毛艶がよくなり、お腹周りのぜい肉が増え、サクは縦にも横にも伸び、儚さが消えました。
サクは高く厚い壁を乗りこえ、心も体も成長したのです。
Ⅲ どなたか、ここまで読んでくださったどなたか、サクはどうですか?
まだあどけなさの残る生後10カ月の発展途上のサクですが、私に見せてくれたあまたの奇跡を、未来のご家族にも見せつけるはずです。
サクといっしょに、内なる宝を探してみませんか?
ひとつひとつ、サクができるようになったことを、サクの横で数えてみませんか?
きっと両手足の指を全部使っても、足りないと思います。
最初はサクに1カ月ぐらいの時間をください。サクは芯の通った猫ですから、自分が納得したら鍵を開け、溶けはじめます。その間に人間がやるべきことといえば、ごはんをあげて、トイレを掃除し、声をかけ、励まし、撫で、同じ家で寝起きするだけ。
サクは老犬老猫の闘病や介護に明け暮れる私に活力をくれるありがたい存在。
絶対に未来のご家族に、元気と安らぎを与えてくれると信じています。
親愛なるサクの未来のご家族へ
サクと「サクへのお問い合わせ」をお待ちしています。
希望を込めて
2017年7月吉日 703号室 田辺アンニイ&サク
ペットシッター「にくきゅうのおせわ屋」をはじめました
お留守番をがんばるかわいい家族が「お帰り!」と目を輝かせて出迎えてくれるよう、安心・安全に最優先で心を込めてお世話します。
足立区・荒川区・文京区を中心に活動してますが地域のご相談やお世話内容など、
⇒足立区のペットシッター にくきゅうのおせわ屋をご覧ください!