氷の雨の下で

昨日登場した愛者の保護経緯についてご紹介します(今日初めて見てくださった方は全然意味不明だと思いますので、お手数ですが昨日分を最初にご覧ください^^;)

(決断)
愛者とチチとコロと私のお散歩は、決まって土曜日のお昼過ぎでした。愛者は迎えに行くと、甘えたような声で鳴き、手を一生懸命伸ばして歓迎してくれまし た。もっと沢山お散歩してやりたいと思いましたが、平日は会社か病院。土日は一日中保護活動に追われていたので、週に一度が精一杯でした。

散歩が1ヶ月半位続いたある夜、私はチチを駅まで車で迎えに行く途中で、発作的に愛者の様子が気になりました。理由は分かりません。見てはいけないものを見てみたい、そんな気持ちに近い思いで、愛者の元へ向ったような気がします。

真冬の寒さは辛いものでしたが、お散歩はいつもお天気に恵まれることが多かったので、いったいこんな寒い、冬の雨の夜はどうしているのだろうと、そんなこ とを考えながら向かいました。愛者の環境を改善できなかったことも気になっていました。何度も毛布やリードなどを持っていきましたが、飼い主は、毛布は汚 れると臭い。紐を伸ばすと子供を襲うかもしれないと言って使ってくれませんでした。

車から降りたことを後悔するほどの寒さでした。

現場に着いて愛者を見つけ、私は愕然としました。
どんな言葉でその苦境を表現すべきでしょうか。

人々が寝静まった町の、びしょ濡れのコンクリートの上で氷のような雨に打たれ、私を見つけた「絞首刑」 スタイルの愛者は、尻尾を振って、笑いました。こんな姿で生きているのは、もうしんどいだろうと思うと涙が止まらなくなり、びしょ濡れの愛者を胸に抱きま したが、愛者は誰を責めるでもなく、だからといって生きることをあきらめたわけでもなく、ただ普通に、本当に普通に、会えて嬉しいと言うように私を歓迎し ました。

「どうしてこんなに切なくさせるの…」
「私にどうしろと言うの?」答えられない愛者に話しかけました。

――その後、せめてと思い、顔だけ拭いてやり、その場を去ってチチを迎えに行きました。

ラーメン屋で、肩を落とす私に「どうしたいの?」とチチ。

現実問題、家には別の保護犬も居て、愛者をすぐに保護することは出来ません。愛者は雑種で、子犬でもないから、里親探しは苦戦するでしょう。長期間、保護 することを考えなくてはなりません。団体に入っていない個人の私が、犬猫を次から次に保護することには正直、限界があります。 飼い主にも又、うまい芝居 を考えなくては……。

でも、もはやいつまでも愛者をあそこへ置いておく事は出来ない。週に1度の散歩が、いかに私自身の自己満足であったか。
したいことと出来ること。
その狭間で揺れました。

しばらく沈黙した後、「炎天下地獄の夏までには……」とチチ。
「……そうだね。炎天下地獄の夏までには連れて帰ろう」
チチと私にはもう、それが精一杯の結論でした。

愛者の経緯は心が重くなるばかりだと思いますが、読んでくださってありがとうございます。幸せな子も居れば、苦境の子もいます。

でも、私が一番知っていただきたいのは、愛者は誰を恨むことなく、日々を懸命に、そして前向きに生きていたところです。初対面の私に自分の方から挨拶してきたりするくらいですから^^

非常に知能が高く、2日で「ハウス!」の号令を覚えましたが、ほぼ同時に要求吠えも覚えてしまい、困っています(汗)。

愛者、足元でスヤスヤ寝ています。ZZZ……。 ↓↓↓

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愛者

ようこそ 我が家へ

5月20日土曜日愛者がやってきた!!

このホワイトライオンのような犬のこれまでの人生(犬生)は、言葉にするのが難しいくらい悲惨なものでした。是非ここで紹介させてください。

出会い
今から半年前、去年11月頃、ある地区で、不幸な猫の保護活動をしていたとき、その地区の一軒の家で、白い犬に出会いました。犬が居た場所はその家の玄関 近く。小さな浴槽くらいのスペースで犬小屋もなく、日よけも雨よけもなく、あたりは糞尿だらけ。犬も長毛の体中に汚物をつけています。

近寄って、目が合うと、犬は笑顔で懸命に尻尾を振って挨拶してくれました。

首輪の代わりに首を古いロープでまかれ、余ったロープを柵に縛って繋がれていました。柵から伸びたロープは不自然なほど短く、横にちゃんと寝そべることもできません。第一印象は、「絞首刑」そのものでした。

誰が飼っているのか、何故こんな残酷な飼い方をするのか気になりましたが、当時は仕事と猫の保護活動で休む暇もなかったので、その犬を見ないようにしまし た。 でも、現地に行く度、犬は目が合っただけで本当に嬉しそうに尻尾を振り続けるのです。近寄ると短いロープから、精一杯体を伸ばし、笑ってみせまし た。

見捨てるのが苦しくて、いよいよ私は、その犬の隣家を訪ね、犬の様子を聞きました。

「お隣の犬は4歳半くらいかしら。可哀想でしょ。あの状態で……。お散歩だって4年間は行ってないのよ」と教えられました。

それから1ヵ月後、20数匹の猫たちも少しずつ片付き始めた頃、4年間、健康な犬が繋がれっぱなしのまま、ほとんどお散歩へ行ってないということが不憫で ならず、私は飼い主を訪ね、お芝居をすることにしました。ひどい飼い主と喧嘩するのは簡単でしたが、それは愛者にとって何の結果も生み出さないと思っての お芝居でした。

満面の笑みで、「お宅のワンちゃんが、私の前の犬にそっくりで可愛いので、たまにお散歩へ連れて行ってもいいですか?」とおそるおそる聞きました。
飼い主は不信がりましたが「勝手にどうぞ」と返してきました。

それからは毎週1度だけ、車で現地へ向かい、愛者を連れて散歩へ出かけました。

真冬の空の下、愛者はどこまでもはしゃいで、色んな場所で道草。散歩の途中で、犬用のビスケットを頬張り、まるで生まれたての赤ちゃんのような純粋な顔 で、私とチチと、やはり飼い主が病気で散歩へ連れて行ってもらえないコロ(♀犬7歳位)と4人で歩きました。こういう週末が、保護するまで、5ヶ月位続き ました。

とても長いお話を読んでくださってありがとうございます。文章をまとめるのが下手で、あまりにも長くなってしまったので、何故、お散歩だけでなく、実際、保護することにしたのかは、次回紹介させていただこうと思っています。

でも、愛者、過去を振り返らず、笑っています ↓↓↓

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愛者

気になるお年頃 完結編

ナナは今度はハハの足元へやってきました。何故だかかつくんを連れています。チチを無視して、ハハに聞きたいことがあるそうです。

ハハ『ん?どしたの? 二人おそろいで』

ナナ『ねえねえ ハハ~ あたしが雑種なら、かつくんも雑種?』

ハハ『うん。そうだよ。かつくんも雑種だよ。 ナナはかつくんを見てどう思う?』

ナナ『う~~ん あまり可愛くない・・・』

ハハ『本当? 本当は??』

ナナ『・・・寝てる顔とかは、まあまあ可愛い』

ハハ『かつくんが可愛いのは寝ている顔だけ??』

ナナ『う~ん・・・大きいお腹も可愛い

ハハ『あとは?』

ナナ『う~ん・・・あたしのシッポを噛むとき以外は全部可愛い』

ハハ『ナナは雑種だけど、とっても可愛い女の子だよ。大きいお目目も、笑った顔も、丸まったシッポも全部可愛い♪』

ナナ『・・・チワワより?』

ハハ『チワワもとっても可愛いけれど、ハハにとってはもちろんチワワより可愛いよ

ナナ『・・・じゃあ いいよ』

ハハ『ん?』

ナナ『かつくんが雑種なら、あたしも雑種でいい。』

ハハ『そう? いいの?』

ナナ『・・・うん。かつくんが雑種なら あたしも雑種


かつくんと一緒ということを知って、ようやくまねっ子のナナは納得した様子です。皆様ご心配をおかけしました。    ハハ

かつ『やれやれ・・・』

ハハ『ん?』

かつ『おんなは・・・』

ハハ『ん?』


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家族

気になるお年頃2(全3話)

今日はとってもいいお天気でベベとかつくんは朝から仲良く日向ぼっこ。

そんな中、一人(犬)だけがまだ何やら悩んでいる様子・・・

チチは、二日酔いで腫れた顔をして、パジャマのままで、ダラダラと優しくなだめていますが・・・

チチ『可愛いナナちゃん。日向ぼっこしないの?』

ナナ『ふん

チチ『昨日のこと、まだ気にしてるの?』

ナナ『だってあたしはただの雑種でしょ?』

ハハ『違うよ。ナナ。 ナナは雑種だけどただの雑種ではないよ。とっても可愛くて、価値ある世界に一頭しか居ない愛しい犬だよ

ナナ『でも・・・』

―しばし沈黙ののち・・・

チチ『ち、違うよ!! ナナは実は・・・実は・・・そう!オーストリアン・ピンシャーなんだよ!!』

ナナ『オーストリアン・ピンシャー??』

チチ『そうだよ。来てごらん。ほら・・・』
↓↓↓    ↓↓↓    ↓↓↓

ナナ『あ! ホントだ

ハハ『チチ、嘘はやめなさい!』

かつ『チチ、嘘はよくない』

べべ『チチ、嘘を言うもんじゃない。ごはん、もらえなくなるよ。』

チチ『ご、ご、ごめんなさい・・・』

ナナ『チチ大嫌い!!』

何でもまねしたがるナナは、まだ少し納得いっていない様子。
このドタバタは明日まで続きますが、とりあえずチチはリンチしておきました。             ハハ

最終話へつづく→

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家族

気になるお年頃1(全3話)

最近ナナには何か気になることがあるらしいです。

昨夜出稼ぎから戻ったチチに何やら聞きたいことがあるそうで。

さて、その内容とは???

ナナ『ねえねえ チチ~ あの~ その~・・・』

チチ『ん?どうした?カワイ子ちゃん♪』

ナナ『あの~ ベベはジャックラッセルテリアだよね? この前お散歩のとき、知らない人が可愛いジャックラッセルテリアですね。って。』

チチ『うん。そうだね。でもそれがどうしたの?』

ナナ『イギリスの犬だって。チャールズ皇太子も飼っているんだって。』

チチ『なるほど。そうか。いい犬だね。』

ナナ『ねえねえ チチ~ その~~・・・あたしの種類は?あたしは雑種???違うよね? あたしの原産国は?』

チチ(ギクッ!

ナナ『お散歩の時に言われたの。あ、こっちは雑種か。って。』

チチ『ち、違うよ。』

ハハ『ナナは雑種だよ。』

チチ『ち、違うってば! ナナは・・・ええと ええと・・ナナちゃんは・・・』

リバーサイドブラウンミックスだよ!!!

ハハ・べべ(クスクス)

ナナ『あたしは リバーサイドブラウンミックス?? へえ~そうだったんだ~ 素敵な名前だね♪るんるん♪』

あれ?・・・・・・・・・・

ナナ『つまり~ 訳すと、河原の茶色い雑種ってこと??』

チチ(逃亡

ナナ ・・・・・・・

次回へ続く→

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