あたし達の思いを

ねえ、知ってる?


あたし達が、どれ程賢いか。

人の心なんて、簡単に射抜くのよ。

ねえ、知ってる?


あたし達が、どれ程従順か。

あなたの足の爪先まで、丁寧に舐めてあげる。

ねえ、知ってる?


あたし達が、どれ程強いか。

そして脆いか。

どれ程人を愛しているか、

それは尻尾を振った回数を数えたり

キスしてあげた回数を数えたりすれば分かるでしょ?

あなたの事なら、長く待つことも出来るし、一緒なら、そこは必ずしも楽園でなくても構わない。

あなたの足元が、あたしの安住の地。

だからお願い、傍に居て。

片時も離れていたくない、

そういう熱い思いを、あたし達が持っていること、

ねえ、

知ってる?

あたしはこう言いたいの。


あなたがブラシをかけてくれたら、あたしの毛は黄金色に輝いて抜けづらくなる。
あなたが洗ってくれたら、あたしはいい香りに包まれて美しさを維持できる。
あなたがお掃除してくれたお部屋で、うとうとさせてもらえるなら
お返しに、いいものをあげる。

小さな幸福。
大きな幸福。

高価なものは何も買えないけれど、幸せをあげる。

いいえ、あたしが持っているものは、全部あげる。


あたし達犬は、

とっても太っ腹な生き物なのよ。

タロウ、ビビリですが慣れたらきっと素晴らしい犬になると思います。うちのナナの甥ですもの!


それにしても、ナナ一族、そっくり過ぎる(笑)。

ナナとリュウを見れば、タロウが室内犬としてやっていけるのは当然と思ってくれるでしょう。
あ、リルも居たか・・・(笑)。

「ブー!! あたちを忘れないでくださーい!!」


忘れてないよ。リルは忘れられるようなキャラじゃないでしょ?(笑)

勿論リルも素敵だよ。

お家の中でくつろぎたいのは、小さな犬だけではありません。
一緒に居たい思いは、小さくても大きくても変わらない。
マンションの一室で、美しいナナを眺めながら過ごす時間は至福です。

うーん、ナナはやっぱり美しい(ただの親バカ?)

同窓会、続々と参加メンバーが決まっています。
次回、写真付きでUPしますのでお楽しみに~♪

「プーマ大臣の里親希望者さんが現れず、保護したチチ(秘書官)は、肩を落として本気で悩んでます。何でこんなに可愛いのに、とそればっか。ハハはうんざ りしています。きっとあるよね!プーマにも素敵な出会いが。タロウ&プーマのバーナーのご協力、本当にありがとうございます。ペコリ。

703号室はランキングに参加しているので、ぼくとナナちゃんの写真をクリックして応援してね。沢山の人に読んで欲しいから。かつくんより」

かつくん なな

ペットシッター「にくきゅうのおせわ屋」をはじめました

お留守番をがんばるかわいい家族が「お帰り!」と目を輝かせて出迎えてくれるよう、安心・安全に最優先で心を込めてお世話します。

にくきゅうのおせわ屋

足立区・荒川区・文京区を中心に活動するペットシッターです。

足立区・荒川区・文京区を中心に活動してますが地域のご相談やお世話内容など、

足立区のペットシッター にくきゅうのおせわ屋をご覧ください!

 

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和ちゃんおめでとう

お盆だからかな。。。

プーマ&タロウのお問い合わせがいまいちありません(苦笑)。
タロウは、期限付きでのお預かりなので、今私の精神状態はかなり逼迫しています(笑)。気長にいい方を探してやりたいけど、プーマはどんどん大きくなるし (汗)、タロウは期限付きだし…。703号室に移動することも考えているのですが、どうでしょう。タロウの引越しの回数を考えると、簡単に環境をころころ 変える訳にもいかないし、ほほがタロウを見て勝手に下痢したり、具合を壊すから慎重にいかないと。。。

出来れば、お預かりの期限内に、いい方に巡り会わせたい気がするんですが…。

とにかく、頑張らなければならないから、頑張ります(笑)。

バーナーが出来ました。次の記事で張り付けるので、ご協力頂けるとありがたいです。きっとタロウの事を愛してくれる方が、こういう犬こそ幸せにするべきだと考えてくださる方が居てくれることを信じて頑張ります!子猫、プーマ大臣も(笑)。

プーマに至っては、チチが溺愛しまくって、プーマ大臣の秘書官を名乗っています(爆)。秘書官は、お盆なのに仕事が忙しく、今日又、静岡に旅立ちました。秘書官に代わって今、私がプーマ大臣のお世話をしています(笑)。

ささ、話が逸れまくりましたよ。

今日は一足お先に幸せを掴んだ和ちゃんについて♪

土曜、和ちゃんのお届けに行きました。


和宮がお外に居た時代からずっとお世話をしてくださっていたぷくぷくさん&秘書官(チチ)も一緒に。皆でドライブがてらワイワイ行きました。

和宮の新しいお名前は和宮(笑)。

優しいママさんが変えちゃうのは可哀想だからそのままにします、って。新しいご家族は、パパさん、ママさん、息子さんの3人家族。お届の時、息子さんは不 在でしたが、どうしてこんなに可愛いの?って位可愛い息子さんで、子供が居ない私は、心底羨ましくなりました。とにかく、優しいんです。性格がいい!お顔 も可愛いけど、真っ直ぐな感じ。私の小さな頃は、曲がりまくってましたから(笑)、どう育てればこうなるの?って感心するほどでした。

パパさんはペット関係のお仕事をされていて、ママさんのいとこは近くで動物病院を開業しているから和宮のご飯やらグッズやら医療に困ることはありませ ん!20年生きた白猫ミタロウ君が亡くなり、里親サイトで和宮を見つけ問い合わせて下さいました。20年って凄いですよね…。しかも、成猫で保護したそう ですから、本当はもっと長生きしたのかも。亡くなる前は、親戚の獣医さんにかかりっきりで、毎日ママがお魚を裏ごししたスープを作ってスポイトで与え、最 期はママのお膝の上で安らかにその生を全うしたそうです。ミタロウ君、ご家族に愛されて、看取られて本当に幸せな猫さんですよね。

ぷくぷくさんと私の希望は、完全室内飼育の徹底でしたから、何度も話し合い、お届けの時には網戸のロックまで手作りして待っていてくれました。私たちの気 持ちを理解してくださる、責任感の強い素敵なご家族です。和ちゃんは今はまだ猫を被っているようですが、所詮お外に居た子。だからどうしても慣れた頃に脱 走してしまうのでは?と危惧していました。でも、マンションの最上階だし、ママが注意してくださるという事で、安心してお渡しする運びとなりました。

天井が高く、ドーム型なので解放感がある素敵なリビングにて。


棚の上には20年生きたミタロウ君のお写真が。


パパに抱っこされる和(ちょっと固まっていますね^^;)


美人なママに抱っこされて。


パパ&ママ(息子さんの写真も撮りたかったよー)


キッチンに隠れちゃった和。


新しいお家が広いから、ちょっと戸惑っているみたいですが、少しずつ慣れて来ているそうです。うちに居た頃は、一つのお部屋から出さなかったので(リルが うるさいから)あまり広いと緊張しちゃうのかな? 和ちゃんが安心するようにケージの設置も考えているというママさん。早く慣れてくれることを祈っていま す。

和宮が子猫好きってこともあって、和が今のお宅に慣れたら、子猫を迎え入れてくれると話していたママさん。パパさんも和ちゃんが可愛くて仕方ないとのこと。息子さんが居なくて写真を撮れなかったのがとっても残念ですが、機会があったら追加で載せちゃおうと思っています!

パパさんから送られて来た、和ちゃんの写真!


703号室にて。偽家族写真(ほほ、プーマ大臣と)


プーマは和ちゃんが大好きで、お届けの間際までこうして甘えていたので、ちょっと淋しそう。


これが人間だったら、きっと100人以上の男性から求婚されるであろう美猫和ちゃん。


早くお家に慣れて、いつまでも幸せにね!

「タロウ&プーマもこれに続いてくれるといいな。Ⅹ97和宮、良かったね!ミタロウ君に負けない位長生きしてね!それがハハとぷくぷくさんの願いです。

お盆中ですが、タロウとプーマの里親さん大募集しています!!是非お問い合わせください!あ、それから、同窓会のメンバー、可愛い子が増えました。また次回にでも!

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同窓会について1

ちょっと更新をサボってしまいました(笑)。

元土手犬タロウの里親さん、募集しています。


プリティ子猫、プーマの里親さん、募集しています。


バーナーを作ってくださる方も大募集です(願)。

そして、里親募集中だった美猫和宮は、土曜卒業しました。はっきり言って、淋しいです。私、大袈裟にうちの保護犬保護猫を誉めて書いているように見えるか もしれないけど、紹介記事に書かれること全て、私の本心です。私は彼らが大好きで、その為悪い部分があまり見えていないのかも(笑)。盲目的な愛?来る子 来る子すべてが愛おしくて、書いても書いてもその魅力の半分も書ききれていないのが悔しいくらいです。

愛を惜しみなく与えてくれる里親さんの元で暮らす卒業生は幸せいっぱいに見えるでしょう。でもそれと同じ位、卒業生が里親さんに幸せを与えていると私は思っています。
うちの卒業生は魅力的な子が多いんですよ!
まあ、魅力的な子はうちの卒業生に限らず、あちこち居ますが!

素敵な里親さんと素敵な卒業生、これが日本の特効薬です!

とにかく、和ちゃんはとっても素敵なご家族の元へ巣立ったけど、和ちゃんがあまりにも可愛いから、ちょっと淋しく感じちゃってる私です。和宮の卒業記事は次回UPするとして、今日は同窓会の詳細をちょこっと!

【703号室卒業生(犬)同窓会開催のお知らせ1】

●日時 2008年10月5日(日曜) 小雨でも決行!

●時間 13:00~16:00

●場所 http://www.suiran-rp.com/dogrun.html「すいらんグリーンパーク・千葉」

●ゲームなども予定しているので、参加費用はお一人1500円程度になります。お子様は無料。犬も何頭でも無料です。

●軽食をご一緒したいので、各ご家庭で一品用意して頂いて皆で食べようと思います。うちは何を用意しようかな?(笑)

●椅子等があると便利なので、持ち運びできる椅子をお持ちの方はぜひ持ってきてください。

●大きなドックラン2面借りました。他の犬が苦手な犬も時間差で一つのドックランを使って走り回れるようにしますので、どんな子も楽しめます。特にうちの 卒業生は成犬が多く、ある程度の年齢まで去勢しなかった子も多いことから、強気の子も何頭か居て(笑)他の子との相性が気になるところですが、これなら大 丈夫でしょ?皆が我慢せずに、それでいて自由に走り回れるなんて、最高でしょ?あ、でも卒業生の名誉の為に言っておきますが、悪い子なんて1頭も居ません からね!うふふ。

●703号室の卒業生だけではなく、参加してみたいという方がいたらぜひ!

~参加犬~

703べべ


703ナナ(タロウの叔母)


703リリ(タロウの兄妹)


ハハ妹&まめ


まりん(&麦&メイプル)


かなた(↑まりんの兄)


目の腫瘍が無事取れた柴犬タロ


参加犬は常時追加でUPしていく予定ですので、お楽しみに~♪

☆☆☆おまけ☆☆☆

十兵衛殿の兄者様からこんなに美味しそうな桃が届きました!!


嬉しくて狂うかと思いました。超甘!!美味しい桃をありがとうございました。

かつくんにみいさんから綺麗なお花が届きました。


みいさん、ありがとうね。

8月10日はかつの命日。

かつが亡くなって1年経ちました。
色々思うことはあるけれど、みっともないことに、まだ私、かつくんを失ったことに正面から立ち向かえません。だからここで書いてしまうと、涙メソメソの文 章になってしまうので、今日はやめておきます。皆様にも心配をおかけしてしまうし、プーマ、タロウの里親探しの真っ最中なので士気が下がるのも嫌なので (笑)。

繰り返し行っている里親探しですが、私は常に初心の気持ちで挑んでいます。私が選ぶ里親さんによって、彼らの運命が大きく左右されると思うと、気持ちを引 き締めなくてはならず、その為いつも緊張状態が続いてしまいますが、いい出会いも多く、それが糧になっているのも事実です。今はとにかく、プーマとタロウ を送り出したい、そして次に救いを待つ子に手を差し伸べたい、その気持ちで頑張りますので、皆さま、どうか応援よろしくお願いいたします!

かつくんへの思いはただ一言!

昨日より今日の方が、ずっと好きです。かつへの思いは日に日に強くなる。失った今、それをかつの前で表現することができないのが苦しいです。だから、皆さまも、愛する犬猫が生きているうちに、たっぷりと時間をかけ、愛情をかけ、その思いを表現してくださいね~!

「タロウ&プーマの里親さんを大募集しています。いいご家庭に送り出したいとハハは真剣です。特にチチがプーマを溺愛して、今チチがプーマ担当になっています。

同窓会、参加してくれる方はぜひ早めに教えてくださいね~。予約は済んだのですが、人数を把握したいそうです。今月中には教えてくれると嬉しいな♪

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かつくん なな

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愛を纏う犬2

~四人目の飼い主 後~

一見爽やかな風景に遭遇することもありました。

違う犬のテントを目指して歩いていると、タロウとホームレス夫婦が散歩している姿が目に飛び込んできて、それは不幸と緊張が続く土手の中で、束の間の小さな希望のような瞬間でした。

「こんにちは。タロウとお散歩ですか?」

「ああ、たまにはこうして歩いてやらないとな。運動不足じゃ可哀想だから。」

「良かったね、タロウ。いっぱい運動して逞しくならないとね!」そう話しかけると、タロウは心底嬉しそうな顔をして、私の手に優しくキスしてくれました。

そんな日の夜は、安定剤を飲まなくても落ち着いて眠れます。タロウの嬉しそうな顔を思い出し、深い眠りに吸い込まれていく心地良さは、ちょっとした媚薬のようなものでした。

でも、そんな日は長くは続きません。それが土手犬タロウに課せられた運命だったのかも。四人目の飼い主も又、タロウを置いて去って行きました。

~五人目の飼い主~

四人目の飼い主のテントを訪ねると、中から見知らぬホームレスの男が出て来ました。

番犬として吠えるはずのタロウは吠えず、明らかに動揺している素振りで、紐が伸びて自由が利く2m程の範囲を行ったり来たりしていました。

「こんにちは。タロウに薬を与えに来ました。ここに居たタロウの飼い主のご夫婦は?」
と話しかけてみると

「もういねぇよ。生活保護の申請が通ったって。ここを出て、アパートに越して行った。このテントと犬は俺が貰った。」

「そうですか…。」必要以上に関わらないように気を付けているので、私がそれ以上のことを聞く事はありませんでしたが、素朴なタロウの佇まいが、とても惨 めに思えてなりませんでした。そして、神様がいるとしたら、一体何の為にこの犬に要らぬ試練ばかり課しているのか、聞いてみたい気持ちになりました。うま く言えませんが、この犬のこの状況を作り出した全てのものに、漫然と怒りのような感情を抱き、自分の微力さに辟易しました。

土手通いが、だんだん耐えられなくなってきました。自分を制することにも、結果が出ると信じながら演じてきた「温和な女の役」にも、もう耐えられなくなってきました。

タロウ、また飼い主が変わってしまったね。
前、タロウに頑張ってほしいと言ったけど、あれは取り消すことにした。
もうどう頑張っても、お前の力ではどうにもならないから、だからもう、
どうかもう、頑張らないでほしい。
もう打ち解けよう、愛されようと努力しないでほしい。
見ていられないよ。

心の中で、そんな風に話しかけてみたけれど、現実の中でもがきながら生きる目の前のタロウは、新しい飼い主へのご機嫌取りで忙しく、諦める私の思いは、届きませんでした。

その頃のタロウ。


自分が味わってきた苦難や淋しさを、ろ過しつくした澄んだ瞳。


申し訳なさそうに甘える顔


不衛生極まりない食事環境。


小ハエが集ってました。でも、この日はまだマシな方。

 

それから数ヶ月後。

五番目の飼い主は、タロウを土手に置いたまま、幽霊のように姿を消しました。

繋がれっぱなしでの状態で数日間放置され、水さえ飲めなかったタロウを偶然発見した知り合いのホームレスから連絡を貰って土手へ急ぐと、日陰に繋がれたタ ロウは相変わらずの笑顔で私を出迎えてくれました。タロウを保護してくれたホームレスの話によると、一時はぐったりとしてあまり動かなかったとか。涼しい 場所へ移動させ、水を少しずつ与え、頑張れと励ますと、タロウは首を起こし尻尾をパタつかせ、次第に呼吸を整えたそう。

それを聞いて、この犬はまさしく危機一髪の状況で救われたと感じました。
そして、だから今こそが、この犬を保護する時なのだと分かりました。

タロウ、土手から出て、本当の居場所を探そうね。
タロウは愛されなかったけれど、愛を知らない訳ではない。
タロウ自身が、愛を纏い、人を幸せしようと、努力を重ねる犬だもの。
幸せになれるよ。絶対になれる。

7月の半ばに保護し、今はお心ある方のお宅で一時預かりしてもらっています。

一時預かりのお宅には、生き場を失った犬猫が多数居るため、タロウを飼うことは出来ません。タロウがあまりに素敵な犬だから、何とかして飼うことをご家族 で検討してくれたようですが、頭数が多く、これからも増えることが予想される為、預かりという形で関わってくださっています。

土手から出たタロウ、室内犬としていたずらもなし、先住犬達とも仲良しで、ご飯もモリモリ食べて、パーフェクトにいい子だそうですが、若干、ビビリなとこ ろもあるようで(笑)。私自身、ビビリ犬が大好きなので、そういうタロウが可愛くて仕方ないです。叔母犬、ナナちゃんタイプかな?凶暴さが全く備わってな いうちのナナってところでしょうか?

とにかく見てください。

この可愛すぎる顔を!!(先日会いに行った時に撮ったもの)


ねえ、タロウ、お前は憎いくらいいい子だよ。

タロウ、苦労が続いたけれどまだ4歳!
去勢・ワクチンなどの医療ケアも既に済ませています。

本当の家族を大募集します!!

どうかどうか、タロウの可愛い姿が、お心ある方の目に留まりますように。

「一人でも多くの方がタロウを知って、好きになって、その中からタロウと一緒に暮らしてみたい、タロウに愛を注いで、タロウから愛を注がれてみたい、と思 う方が現われてくれたらこんなに嬉しいことはありません。タロウのご家族を募集しています。気になる方はぜひお問い合わせください。

703号室の同窓会、参加予定犬が2頭増えました。近日中に写真と共に詳細をUPする予定ですのでお楽しみに~

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愛を纏う犬1

~ひとり目の飼い主~

ひとり目の飼い主の手によって、タロウを産んだ母犬のタカコは死に追いやられました。

タロウが離乳した頃の事。タカコと一緒にそこで生まれ育った兄弟犬2頭も、惨めにこの世を去りました。タロウが生まれるずっと前から土手に通い、犬達の環境を改善しようと努力した私は、11頭居たタロウの親戚犬のうち、今日現在既に5頭失っています。

6年という長い年月を費やし、3頭の犬(ナナ・リル・リュウ)を土手から出すことができましたが、今尚土手には、タロウの叔父にあたる犬が2頭、ひっそりと日常を送っています。だからタロウを土手から出せたことは、私にとっては奇跡なのかもしれません。

いや、あの環境で折れずに生き延びたタロウそれ自身が、実は奇跡なのだと思います。

一番賢いという理由で、ひとり目の飼い主の傍を逃れられなかったタロウは、土手の中でも最低なテントで2年過ごしました。餓えや渇きや暴力に蝕まれ、母親 や仲間達がこの世を去っていくのを、タロウはどんな思いで見送ったのか。そして救ってやれなかった私に、どうして笑顔を向け続けてくれるのか、一度聞いて みたい気がします。

タロウ自身も、子犬の頃から随分殴られて育ちました。飼い主は、その日その日の感情に任せ、タロウを殴りました。タロウは混乱しましたが、混乱さえも抱きかかえて受け入れるしかありませんでした。従順な犬は、現実を全うする以外の術を知らないからです。

その環境に置かれたタロウは、その中で精一杯成長してくれました。
正直言って、あの頃の話を書く事は辛いです。
思い出さずに済むものなら、思い出したくはありません。
けれど、タロウという犬を少しでも知って頂きたくて書きます。
私がタロウにしてやれた事は、あまり多くはないから・・・。

2歳を過ぎた頃、ひとり目の飼い主だった男が突然死して、その運命は好転するはずでした。
けれど、タロウには、まだまだ苦難が付きまといます。

~ふたり目の飼い主~

ホームレスの男性。
ようやく生き場を得たタロウを置いて、1か月以内に行方不明になりました。

~三人目の飼い主~

ホームレスの男性。
タロウを引き取ってすぐ、タロウを捨てて土手を出ました。

~四人目の飼い主 前~

ホームレスの夫婦。戸籍上は他人でしたが、お互いが夫婦と名乗っていました。

ふたり目、三人目と飼い主が変わり、忙しく流転させられたタロウを見失った私は、ここでようやく、その居場所を突き止めました。土手は広いのです。知り合 いのホームレスにタロウの居場所を聞き歩いているうちに、自分の身にも、計り知れない疲労感が襲ってくるのを感じました。

タロウのテントの場所を知った私は、夕暮れを待って向かいました。

はっきりと覚えています。
空が太陽に焼かれ、オレンジ色に燃えているように見えた神秘的な日でした。

フィラリアの薬、焼酎2本、タロウのフード。
それらを担いでテントを目指すと「マムシに注意!」という看板が見えて来ました。都内の一角とは思えない風景。歩き進めるうちに、タロウの姿が見えて来ました。タロウは、テントの端に作られた質素な小屋の中から可愛い笑顔を覗かせて、尻尾を振って私を出迎えてくれました。

「タロウ!!会いたかったよ!!元気してた?さあ、おいで!!おいでおいで!!」

興奮気味の私に波長を合わせ、タロウも楽しそうにはしゃぎます。私たちはまるで、離れ離れになって久しく、やっと再会を果たした恋人のように抱き合いました。

すると突然、
「こら!!この役立たずのチクショウめ!!」
ものすごい罵声と共に、テントから女が出て来ました。

「タダ飯食わして貰ってると思ったら大間違いだぞ!!このバカ犬が!! ん?お宅は誰?何でここに居る?こんなところで何やってるんだ!えっ?」

女は明らかに不機嫌で、その怒りは不審者の私に対するよりもまず、番犬として役目を果たさないタロウに向けられていました。木の棒でタロウを小突いたり、 サンダルを投げつけたり、それは、ご機嫌取りに持ってきた焼酎を手渡すまでずっと続き、私が来た事で、タロウを苦しめることになったと自分を責めずにはい られない状況でした。

「お酒、次も持ってきます。私の家、酒屋なの。だからいっぱいお酒があるんです。」
挨拶代わりにそう嘘をついて女のご機嫌を取ることに成功した私は、続けてタロウに薬を飲ませる許可を取り付けました。

「この犬は賢い、番犬になるからって言われてうちが引き取ってやったんだよ。なのにちっとも吠えねぇ。誰が来たって尻尾振って、これじゃ役にたたねぇっ て、お父ちゃん怒ってるからあたしがしつけしてやってるんだ。本当、愛想だけはいいバカ犬で、どうしようもねぇよ。」と女。

「あ、そうですか?そんなに役立たずならここに居ても意味がないわね。世話の方が大変でしょう。私が引き取りますよ。その方がいいと思いますよ。」と私。

「いや、それは断る。こんなバカでも、居ねえよりはマシだよ。お父ちゃんがこの辺は物騒だから犬は置いとかなきゃダメだって。とにかくこの辺は、物騒なの。」そう言って女は私が渡した焼酎を持って小屋の中に消えて行きました。

タロウと二人きりになって、私はその耳元で「作戦失敗!ごめんね。」と囁きました。

そして「タロウ、もっと賢く生きないとやられっぱなしになるよ。お願いだから言うことを聞いて、もう少し頑張ってね。私、何か方法を考えてお前を土手から出すから。」と続けました。

10日後、まとめ買いした犬の缶詰を手に、再びタロウのテントを訪ねた時のこと。

そばに置いてあった自転車を退かして、テントに近づこうとした瞬間

「ワワワワワンッ!!」
タロウが威勢よく吠えました。

そして私の顔を得意そうに眺め、背筋を伸ばして尻尾を振りました。

その姿があまりに誇らしげで、まるで「ぼく、番犬として頑張ってるよ。ちゃんとお仕事して、役に立てるようになりたい。」と言っているようで、私は泣きたい気持ちをぐっとこらえ、タロウを撫で、お前は凄いのね、偉いのねと繰り返し褒めました。

その頃のタロウ。四番目の飼い主の夫婦の足元にて。


この後、タロウはまた捨てられてしまいます。
どんなに努力しても、タロウ一人の力ではどうしようもない。でもタロウは、諦めずに闘い続けました。話の続きは次回へ。

すっかり長くなったので、今日はここまでにします。
4年半以上の出来事を、端折って書いているのでどこまでしてやれるか分かりませんが、ひとりでも多くの方の目に留まり、こうやってひっそりと、しかしながら力強く生きて来た犬も居ると知って頂けたら本望です。

「同窓会の参加記事、改めて書きます。今のところはまだ卒業生まりん一家だけ。沢山のご参加お待ちしています。タロウの事、長くなったけど読んでくださってありがとう。続きは次回更新の時に書く予定です。

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