今日は保護犬忠太とは関係のない記事です。忠太の記事は一つ下以降をお読みください。
来年の今頃、クロは多分居ないでしょう。
来年ではなく、もしかすると来月にはもう死んでしまう。
クロは孤高な猫です。
私の母がやっている小さな飲食店にお刺身を貰いに来るのを日課にしている野良猫。良く覚えていませんが3年以上は来店している、うちの常連さんです。過去 にひどい喧嘩の傷を何度も作ってはやって来て、私たちをひやひやさせました。捕まえようとすると、すごい猫パンチが炸裂して、唯一捕まらない子です。捕獲 箱にも入りません。どんなご馳走を忍ばせても絶対に入らない、筋金入りの根性の持ち主です。猫パンチが炸裂するだけなら、痛みを我慢すれば捕まえられそう だけど、クロは逃げ足も速い。生粋の野良猫です。
外見は、黒猫ではなく、亡きかつの様な黒白模様でお髭がちょこんとある感じです。
かつが生きていた頃は、良く冗談で「クロ」は本当は「かつ」で、かつのもう一人の人格、夜の人格なのではないか?と笑っていました。懐かしい思い出が、正直とても痛いです。
そのクロが、半分くらいの細さになって店に現れるようになったのはつい最近。
皮膚も顔もボロボロで、一見、クロだと分からないほどの状態です。
その姿を前に、何もしなかったわけではありません。状況を説明して、病院で薬を処方してもらい、お刺身に混ぜて飲ませようとする日々が続きました。でも、 クロはお刺身に薬が入っていることを察知して、どうしてもお刺身を食べません。そこで一度無理矢理捕まえようとしましたが、病んでも猫。きっとクロは、最 後の最後まで捕まらない猫です。
捕まえようとすると信頼関係が壊れる。その後数日は店へ来ない。そうするとますます衰弱する。だから無理に捕まえようとせず、薬入りのご飯を一口でも食べてもらえるよう、見守るしかありませんでした。
「クロちゃん来たよ。今日は一段と痩せてひどかった。薬飲まないよ。」
こういう内容で、ババ(母)が私にかけてくる電話が嫌で、私は最近、ババからの電話を嫌っていました。現実から目を背きたかった。ガリガリに痩せこけたクロが、あの頃のかつと重なって、猛烈に私を蝕んでいく。そして又、深い海へと堕ちていくから。
こんなこと、書きたくなかったんです。私はただの弱虫で、現実自分がどうもしてやれないことはあまり書かないようにしています。土手の犬だって、お散歩や 医療を担当している犬だって毎日のように私の懐に入ってくるけど、完璧に幸せにしてやれない微力な自分を、認めるのは悔しいし、書くと消せない事実にな る。だから必要以上のことは書かない。書けない。Delキーで、心の中までは消せません。書くことは、心に刻むことだから。
ここに書くことが出来るのは、消化したことや、消化しようと努力している事ばかり。私のことを、表裏がないとお褒め頂くこともありますが、実は、現実に起きている全部の出来事をここに綴っているわけではありません。
クロのあの姿を、私がどう消化できるというの?どう消化すればいいの?
救えない子が多すぎる。
それはいちいち、私の胸に留まり続けて、上からどんなに重い蓋で覆ってしまおうとしても、私を捕らえて刻んで、刻んで刻んで放しません。
必要以上に頑張っているクロに、頑張ってねとか、次生まれ変わったら又会おうね、と言うことは出来ません。生まれ変わりを信じる位なら、どの子にも最初か ら手を差し伸べたりしない。私は生まれ変わりは信じていません。信じたい気持ちはあるけれど、自分に都合よく信じすぎると、それをいい方に解釈しすぎてし まうから。
だからおしゃべりな私でも、クロにかけてやれる言葉は少ない。
クロのこと、書いているうちに、自分の中に傷が増えてしまった事に気がつきました。
クロはもっと痛いでしょう。
今日は薬抜きのお刺身を出しても、一口しか食べられませんでした。
お刺身だけではなく、ババが買った缶詰も、フードも、鶏肉も。何もかも。
代わりにそれらは、お腹を空かせた別の猫の胃袋に納まってしまいました。
クロのような野良猫は、驚くほど多く存在しています。
一部の有識者が行う不妊手術や餌やりだけでは、間に合いそうにありません。
書けない書けない、書きたくないと勝手な事を言いながら書いてしまった私から一言。
引越しや出産位のちっぽけな事で、飼い猫を捨てないで。
そして増やさないで。
飼う時は、買うのではなく、恵まれない子を家族として迎えてください。
日本を変えたければ、変えようと行動するしかない。
手を合わせて祈るだけでは変わりません。
例え一歩でも、確実に前へ進めばそれはやがて大きな波になる。
日本は必ず変わります。私は、そう信じて少しずつ頑張ります。
「その地域全てではなくていいと思います。自分が普段気にかけている、たった1頭の猫に避妊手術を施すだけで、それはすごく意味のあることだと思います。 メスは赤ちゃんを産まなくなるし、オスだって、メスをめぐって喧嘩する必要がなくなるから、怪我することが減るでしょう。捕獲箱を無料で貸してくれる団体 が幾つもあります。アドバイスもくれます。ハハで良かったら、ハハも幾らでもアドバイスはします。
ハハもブログには書かない事が多いそうですが、今まで沢山の猫を手術して来ました。だから今、ハハの近所は子猫が少なくなりました。他にも一つ地域猫をK さんと共に抱えていますが、そこにも新たな子猫は数年生まれていません。たった1頭の去勢で、不幸ないのちは減らせます。里親さんを希望する方が増えれ ば、ボランティアは捨て犬猫を保護しやすくなる。ぼくは、クロがそれを教えてくれている気がします。
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ペットシッター「にくきゅうのおせわ屋」をはじめました
お留守番をがんばるかわいい家族が「お帰り!」と目を輝かせて出迎えてくれるよう、安心・安全に最優先で心を込めてお世話します。
足立区・荒川区・文京区を中心に活動してますが地域のご相談やお世話内容など、
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