2005年冬
はじめて出会った時、コロは死んでいました。
べべと一歳しか変わらないのに、まるで老婆。

こんなに表情がない犬も珍しい、変に感心したのを覚えています。

6歳だったコロは、短い鎖に繋がれ、1.5畳ほどのスペースで過ごしていました。
コロは何を考えて生きていたのでしょう。

足腰だけは丈夫で、いっぱい歩けるのに、一緒に歩いてくれる人がいない。
肘には醜いほど大きく膨れ上がった「床ずれイボ」が目立っていました。

コロはいわゆる「散歩に連れて行ってもらえない外犬」とも違う。

景色のない無機質な空間が、コロの居場所でした。
空しか見えない。
他には何にもない。
生きているのに何にも感じられない。
それって最大の痛みじゃない?

私とKさんは、偶然コロの存在を知りました。
以後、毎週欠かさず散歩へ連れ出すようになりました。

歩いている最中、コロはよく咳こみました。
大きな病気を抱えているのだろうと不安になり、病院に連れて行ったところ、体のあちこちに癌が見つかりました。癌は手術で取り除いたけれど、依然として咳を止めることはできなかったんです。

「ガッガ。ゴホゴホッ」

気管支? 心臓?

毎月、Kさんと共にコロを病院に運んで調べてもらいましたが、これといった問題は見当たらない。

コロ、どうして咳をするの?
どこが悪いの?

2009年4月
703号室でコロを保護しました。
クッシング病を患ったコロを飼い主が邪険に扱っているのが耐えられなかったからです。私はもう限界でした。コロの飼い主の元を訪ねてご機嫌をうかがい、コロのケアを続けていくことが嫌だったんです。そもそも飼い主がいるのに、どうして私やKさんがやらなければならないの?

飼い主の娘が子犬だったコロを拾ったのがきっかけで、コロは地獄の中に身を投じるようになりました。その娘は結婚を機に家を出たっきり、コロを忘れ去ってしまったのです。

コロを我が家に連れて来る前、男のケツを追って家を飛び出したみっともない娘に、Kさんは幾度となく電話をかけました。けれど、電話口に出た娘は、本人なのに下手な芝居で他人のふりをして逃げ続けました。

私はお金を払って欲しいとか、コロを引き取って欲しいとか、そういうことを求めていたんじゃない。ただ一言、彼女が名づけた「コロ」の名を、彼女の口から聞きたかった。

最近になって、コロの咳の原因が判明しました。

コロが咳こんでいたのは、単純な理由からでした。

コロはもがいていたんです。
一歩でも早く歩きたくて、少しでも先に行きたくて、コロはいつも必死だった。息が苦しくなるほどリードをひっぱるから、だから咳していたんです。あまりにもひどい咳だったので、それに気がつかなかった……。

コロの咳は、コロの自己主張であり、声だったんだね。

「あたし、歩いてる。生きてる。ちゃんと存在してる。ここに」

我が家へやってきて半年経ちましたが、コロは一度も咳をしていません。

目も見えなくなって、耳も聞こえなくなって、足腰も弱くなって、体中に沢山の病を抱えているけれど、臭覚だけは衰えない10歳のコロは全力で生きています!

2006年7月22日。この時は散歩と通院だけのおつきあいでした。
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2008年10月16日。クッシングと診断されましたが、皮膚はまだきれいでした。
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2009年8月1日。皮膚がボロボロになって血がにじむことも。
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今日の1枚。あれれ? 皮膚良くなってない?
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「エへへ。ちょっと治ってきたよ」
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この写真可愛いからカレンダーに使おうかな?
今日、Kさんが病院に連れて行ってくれたんですが、状態が良いと褒められたそうです。嬉しいー! この状態をキープしたいです♪

コロ、頑張ろうね!

いや、お前は頑張らなくていいや。私が頑張るから!

「俺様もボクシング頑張るぞ!」
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…………。

キモイし、どうだっていい。

☆☆☆ありがとう☆☆☆

ひのさん&たみさんから、素敵な贈り物を頂きました。
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INNOVAのフードのパッケージ、異常に可愛くないですかー?
開けるのがもったいない!!

デビフの缶詰はコロが喜ぶので嬉しいです♪
アルバムも大切にします!
ありがとうございました。ペコリ。

かつくん「コロちゃん、どうもありがとう。そしてこれからもよろしくね。

ところで、現実問題、毎月コロに8万円の大金がかかっているからハハ、皆さまにお聞きしたいことがあるんだって。ハハにとって8万円は大きいからね……。

医療費+薬代+薬浴の約6万円は仕方ないし、フードも安物を食べさせたくないけれど、1万円かかるペットシーツ代は節約したいみたい。

703号室からのお願いです。
ペットシーツが安く売られているところを知っている方は教えてください。品質は問いません。すぐにおしっこをしてしまうから薄いものでも全然OKです。よろしくね!

ハハの本、それでも人を愛する犬をよろしく!

703号室はランキングに参加しているので、ぼくとナナちゃんの写真をクリックして応援してね。沢山の人に読んで欲しいから」

かつくん なな

ペットシッター「にくきゅうのおせわ屋」をはじめました

お留守番をがんばるかわいい家族が「お帰り!」と目を輝かせて出迎えてくれるよう、安心・安全に最優先で心を込めてお世話します。

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足立区・荒川区・文京区を中心に活動するペットシッターです。

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できること できる範囲で

ベレーボへのコメント、本当にありがとうございました。カレンダーの写真の整理に追われていますが、近日中にはお返事を書きますね♪ 皆さまごめんなさい。ペコリ。

カレンダーの写真が続々と届いています!
開けないものもあったりしてちょっと手こずっていますが、ご家族からメールを頂いた子はもちろん、その他の懐かしい子たちも載せようと思っていますのでお楽しみに♪ まだまだ受けつけているのでドシドシ送ってくだちゃいね、待ってます。

私もポンタのカレンダー用写真を撮らないといけないんですが、ポンタの動きの速さについていけず、脱力感を覚えています(汗)。どうしよう。

(背景の散らかりなどは無視でお願いしたいんですが)やつは動いてばかり↓
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ブレブレ。とまんない……。一日中べべとおもちゃを奪い合ってます。
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べべの負け(笑)。
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まあ、可愛いのでそのうちいい写真が撮れるでしょう。それまでは気長にパパラッチしますから。

ポンタの経緯や家族募集はもう少し先にさせて頂きます。
事情があって、ポンタはまだ去勢手術を受けていません。
それに今希望者さんが現われても、対応が困難です。
ババ(母)もまだ入院しているしね。退院のめどがたたないから私が店を手伝うしかないんです。

「モデルは疲れる」
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おおお! まめ! お疲れー(笑)。
まめ&福(ハハ妹の愛猫)のカレンダー用の写真を撮ると言うので、週末ハハ妹にカメラを貸したんです。福の写真はまだ撮れていないみたいですが、カメラの中にお転婆なまめがたくさん入っていました♪ どれを使おうかな~? うふふ。

昨夜はハハ妹と共に、友達のルルさんのお宅へお邪魔しました。
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ルルさんは主婦であり、エステサロンを経営する女社長であり、犬の里親になったり、猫の保護活動をしている女性です。広く、オシャレなお家でくつろぐ、若く、美しいルルさん。一見、犬猫の保護活動とは無縁に思えます。

暗いイメージが漂う犬猫の保護活動。

「行きたい場所、したいこと、欲しいものをすべて我慢し、恵まれない犬猫のために日夜奔走し続ける活動。自分にはできない。それができるごく一部の人間がやればいい」

そんな風に捉えられちゃうとちょっと悲しい。

だからルルさんのような人を見てほしいんです。
誰もが羨むライフスタイルを貫きながらも、自分にできることを続ける。

本来、保護活動を担うのは「一部の限られた人」や「自己犠牲を重んじる神さまのような心の持ち主」ではない気がします。私のようなごく普通の人間が自分にできる範囲内で関わるべき活動だと思うのです。

人間は誰だって貪欲で、自分のために生きています。外見や持ち物を褒められて気分を害する人はいません。友達とワイワイおしゃべりしながらランチをとった り、オシャレを楽しみながら保護活動をすればいいと思うのです。それまでの楽しみや生活を犠牲にしなくてもできることはあります。自分の範囲で続けられる のが一番だと思うんですよね。

自分にできる範囲で活動をする。
その範囲内では最大限の努力をする。

こういう風に考えるようになるまで、私にはちょっとした葛藤がありました。
自分がショッピングしている時も、紅茶を飲んでいる時も、昼寝の最中にも殺処分される犬猫がいる。食べれない子がいるのに、眠れない子がいるのに、明日がない子もいるのに、私だけこんなにいい思いをして……。

笑うのも食べるのも申し訳ない気持ちになって、自分を責めたりしました。
でも、自己嫌悪は悪循環を招く。それに気がついたんです。
自分を許す発想は潤滑油になるんですよね。
甘やかせすぎは禁物ですが……。

の割には今でもよく自己嫌悪に陥りますがね(笑)。

そもそも私は、ひとりが100頭保護するよりも、100人が1頭ずつ保護する方が健全で効率的との持論を持っています。だからルルさんのような方が存在することが嬉しいです。

このリビングは犬猫たちにとっても快適でしょうね! 猫のまめちゃん走ってる(笑)。
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2頭の犬、2匹の猫、1匹の保護猫、計5頭と暮らすルルさん。
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家族募集中のゆずちゃんは食べているところしか撮れなかった(涙)。
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興味がある方はルルさんのブログをチェックしてください。

バリのお土産に頂いた鏡(なんだこれ? 超可愛い!)
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ランチョンマットもありがとう♪

ルルさんのように、実際活動をするのは難しいけれど、もう一頭増やすキャパならあるかも。という方は、保護犬猫の里親さんになることをおススメします♪ 里親さんあっての保護活動ですからね! うーん、私も美を磨くぞー! そして部屋の掃除をするぞー!

☆☆☆ありがとう☆☆☆

卒業猫ミリ&リンの里親さんに沢山の物資を頂きました。
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ありがとうございました。ミリリンもカレンダーに登場予定なので、楽しみにしててくださいね~♪

かつくん「部屋の掃除はまだしも、美を磨くのはハハには無理。だって、お肌のお手入れがなんたるものか、よく分かってないもん。ルルさん、教えてあげてね~。
教えてあげてもハハ、多分覚えないと思うけど……。

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ベレーボファミリー

ベレーボについて、沢山のお祝いコメントやメール、ありがとうございます。読んでいてベレーボに会いたくなりました。ベレーボ病かな? 私……。やばいな。

ベレーボのお届け日、気持ちの乱れからか? なんと私はカメラを忘れてしまったんです。里親さんに写真を送ってもらう手間をかけてしまいました。ママさん、ごめんなさい。

以下がご家族から届いた卒業ほやほやのベレーボです。どうぞご堪能ください↓

ベボのために用意されたキャットタワーの上でお兄ちゃんに遊んでもらってる様子。
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良く見ると足にもおもちゃをひとつ隠し持っています(汗)。貪欲な男子ですね。

「みなさま、ぼく、ここでしあわせになります」
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ベレーボ、ちゃんとご挨拶できたね~♪ えらいわ

それにしてもベレーボのママさん、写真がうますぎです。

職業はカメラマン?

「ちがうとおもうけど?」
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「ふっ、しらじらしい」

あれ?

今、誰かなんか言った?

私を小馬鹿にする鼻息と共に“声”が聞こえてきたような気がするけど?

「しらじらしい……」
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おー!

もしや、君はチック?

えー。
ちょっと待って!
なんでチックが絡んでるの?

チックは「幸せの703号室」のメンバーじゃなくて、「ももの幸せ日記」の預かり犬だったはずでは?

「まだやってるの? もう、ばれてると思うんだけど」
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ももりんまでなにを?
意味分かんないしー!(笑)。

「この白いの、ずっといるの?」
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あああ。
麗しのあーちゃん♪

そういうことだったのか!

にゃ~るほど! よーくわかったぞ!

はい。皆さまもお分かりですね。

ベレーボは、ももママ家の愛猫になりました!!!

ベレーボが小さいのか? ももりんが大きいのか?
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ベレーボ、初日から全く警戒知らず。
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おやじの寝顔も健在です(笑)。
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ベレーボ大好きの皆さま。
ベレーボは私の親友のお子さまになりましたよー。
ここじゃなきゃもう、手放せなかった……。
たまに貸し出してくれるって。ありがとー。死ぬほど嬉しいよー。

これからは皆さまご存じの「ももの幸せ日記」でベレーボに会えます。

ももママちゃんは 保護活動を通じて知り合った仲間だから、勿論保護活動に尽力している方です。今まで沢山の犬のご縁探し続けてきました。最近は猫の保護もしています。私が 保護した黒猫あじさいを預かってくれた人でもあります。そのももママちゃんがベレーボの里親になってくれるなんて、私は全く予想もしていませんでした。

はじめはただベレーボのことを相談していました。
ももママちゃんはベボを可愛いと思ってくれたらしいけど、家族になるなんて考えもしなかったと思います。けれど、日々やり取りを重ねていくうちに、ももママちゃんがベレーボの家族になってくれたらいいのに、って願うようになったんですよ。

ももママちゃんは責任感が人一倍強くて、パパも息子のせいちゃん(LOVE)も犬猫の扱いに長けているし、安全かつ安心の環境だし、何より、会いたくなったらいつでも会えるし。

だから希望を頂いた時は舞い上がりました。
なぜかアンケートまで送ってきてくれたんです。
そんなもんなくても、家族構成とか飼育環境とか全て分かっているのに(笑)。

ベレーボとのお別れはきついけど、ここんちなら頑張って自分の気持ちを切り替えられる! 言い換えれば、私は簡単にはベレーボを手放せない心情でした。勿 論、簡単に手放した子なんて一頭もいませんよ。7年近く接してきた土手の犬たちだって、多頭飼育崩壊現場から連れ帰った猫だって、他の子たちだって、胃が 痛くなるほど考え抜いてのお別れなんです。だから誤解しないでくださいね。

ベレーボは、かつくんに似た空気を持っていたんです。
顔は似てないし、性格も違うけど、私にとっては何か特別な香りを漂わせる子でした。

そういう意味なんですよー。って、説明になってない?

ももママちゃんの気持ち、私にはよく分かってるつもりです。
ただうまく説明できません。詳しくはももママちゃんに聞いてください(笑)。
色んなことを考え抜いた結果の希望。
犬猫たちと接する機会に恵まれているももママちゃんにとっても、ベレーボは特別な子だったのではないか? 私の憶測の域ですが、そう思います。

ベレーボ、お前は幸せ者ね♪
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かつくん「ももママちゃんのお宅ならいつでも会えるから良かったね。Ⅹ137ベレーボ、おめでとう。チチに高級ビールと犬たちのフィラリアのお薬を頂きま した。ありがとうね! って、ハハ、今日もももママちゃんに電話して淋しいってこぼしてた。未練がましいね。まったく!

ねこねこさんにブドウをいただきました。お礼が遅くなってごめんなさいね。ありがとうございました。

卒業生千広改め、花音のママさんに頂いた医療費は全額保護犬猫に使いました。何に使ったのか、詳しくは大巻先生から明細が送られるとのことです。届いたらチェックしてくださいね~。本当に助かりました。善意をありがとう。

保護犬ポンタの紹介などは週明けになる予定です。皆さまよろしく~!

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親愛なるベレーボへ(幸せになった野良猫)

やあ、ベレーボ。
あの出会いは、日常のちょっとした奇跡だったね。

今だから告白するけれど、私はその瞬間からベレーボが好きだったよ。
お前の小さな体を力いっぱい抱きしめたい衝動に駆られた。
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ベレーボ!
ベレーボ!
ベレーボ!

一日に何度もお前の名を呼んだよね。
呼べば呼ぶほど、ベレーボと仲良くなれる気がしたの。
べべのことも、ナナのことも、あまたのこともベレーボと呼び間違えた。

警戒心ゼロの無垢な瞳。
短く繰り返す独特のなきごえ。
やわらかい毛ざわり。
楽しいことやおいしいものを探し求め、狭い部屋の中を右往左往。
旅の途中で目が合うと、必ず私の体にすり寄って挨拶をくれた。

「ねえ、“好奇心”って知ってる? ぼくの中は、それであふれかえってるんだよ」

「あらそ。で、ウロウロしちゃって、なにしたいの?」

「おいしいものはない? おもちゃはどこ?」

「さっきご飯をあげたばかりだし、おもちゃは自分で壊しちゃったでしょ?」

「そうだっけ?」

「いいこと教えてあげようか?」

「なになに?」

「そういえば、ベッドの下にペットボトルの蓋が転がってる気がするけど?」

「ベッドの下? ありがと。ぼく、ちょっともぐってみるよ」

ふたをくわえて戻ってきたベレーボは、顔中にほこりをくっつけて得意満面に私を見つめた。

「あったよ!」
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ああ、ベレーボ。
どうして私の心を乱すの?

中年男性のような寝顔も印象的だったね。
私の枕を奪って、私を敷布団から排除したくせに、結局は淋しくなって、自分も布団を出て床の上に転がったよね。

硬いフローリングは、だけど不思議と居心地が良かった。
お前と一緒だったから……。

ベレーボ、お前を連れ帰る少し前から、私、機敏さを失っていたの。
心の中を整理整頓できなくなってきて、前よりずっと、決着をつけるのが下手になったの。
お前は気がついていたかい?
私の本当の姿に。
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自分がどれほど強欲で未練たらしい生き物か、考えただけで苦笑が漏れる。
実は私、“お別れ”が苦手なの。

今までいた者が急に別の場所に移動して、それを決めたのは他でもない、私自身なのに、ギューと苦しくなって、だから私、誰かが出て行くと、すぐに部屋の掃除をはじめるの。

幸せになってくれたんだからそれでいい。
はじめからいなかったと思えばいい。

痕跡を消す作業が捗れば捗るほど、抜けおちた毛束や壁に刻まれた爪痕や思わぬ場所での粗相を発見してしまう。

つぎの瞬間、思い出が走馬燈のように駆け巡って手が止まる。
そして、怒る対象を失ったことにはっきりと気がつく。

ベレーボ、お前は何を残して去るの?
考えただけでたまらない。
どこにも行ってほしくない。

ベレーボ、私ずっと考えていたんだよ。ベレーボとこのまま一緒に暮らせないか、ずっとね。この前たった一泊長野に行っただけなのに、会いたくて胸がつぶれそうだったから。

悶々とする日々を送って、葛藤を繰り返し、やっと答えに辿り着いた。
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頭数が限界を超えている我が家では、お前に時間をかけられない。
新たな猫との出会いもあると思う。
未来の猫にも、私はお前にしたのと同じことをしたい。
その時、お前を手元に残したことを微塵にも後悔したら、可愛いお前に申し訳ない。
だからいいさよならをしよう。

さあ、ベレーボ。
行っておいで。
六本の手が、お前を待ってるよ。

保護猫ベレーボは昨夜より新たな生活をスタートさせています。
数え切れないほど沢山の家族希望を頂き、感無量です。
今回は、正直きつかった~。
いや~、きつかったです(笑)。
皆さまにも途中経過を! と思っていましたが、どうしても気持ちの整理がつかず、卒業後の報告となりました。お許しください。

問い合わせがくればくるほど、本来は嬉しいはずなのに、実際嬉しいのに、反面、気持ちがソワソワしました。ベレーボマジックにハマりましたね。ベレーボ、おみごと! 100回以上繰り返している猫のお届け。どの子の時も辛かったけれど、泣いたのは二度目です。

ちなみに、私が泣いた一度目の猫はかつくんでした。かつくんは出戻ってきた後、わが子として生涯を閉じましたが、ベレーボは出戻りません。きっちりしているご家族ですから。
ベレーボの新しいご家族の紹介は次回。

シクシク。
嬉しさと淋しさでいっぱいです。

そう言えば、ベレーボはいろんな顔を見せてくれたけど、怒った顔だけは見たことないな……。

「いや~」               「ほれほれ、チコウヨレ」
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「いや~」               「チューさせて」
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かつくん「長くなってごめんね。ベレーボ、とてつもないキャラだったね。なんだろ。小さいのにこの存在感は……。ハハの最近の強敵は“別れの辛さ”だって。贅沢なこと言ってるよね。ベレーボの家族紹介は次回たっぷりと。楽しみにしててね~♪

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ただのねこ、家族を求む

皆さまこんにちは。
昨日の夜も更新しているので、よかったら昨日の分も読んでくださいね。
たまっていたコメント返しも終えました(笑)。遅くてごめんなさい。

コメントドシドシカモーンです。

今日はみいさんちのさーちゃんの紹介を♪
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みいさんち のさーちゃんに限らず、多くの方が保護犬猫の里親募集をしています。全ての子をとても気に掛けているのですが、自分の更新でいっぱいいっぱいな上、私はバ ナーもまともに貼れない人間なので、気持ちだけの応援になってしまっています。ごめんなさい。私も抱えている子がいますので、お互い頑張りましょうね~♪

今年に入ってから私が保護した成猫を、みいさんは2匹預かってくれました。白三毛の千広(花音)とさび猫のリリー(リー)。リーに至っては、募集から担当してくれました。感謝の気持ちを込めて、さーちゃんについて私が思うことを書きたいと思います。

さーちゃんは、お問い合わせがないそうです。
若いし、性格がいいし、ハンサムなのにどうしてでしょう。
もしかして、FIV+が原因なのかな?

うちの亡きかつもFIV+でした。
その為私は、保護猫たちとかつの距離を保つのに苦労を覚えました。
保護猫たちはケージの中で我慢してもらい、リビングに放す時はかつを寝室に移動させていました。

でも、心の中ではこう思っていたんです。

「ばっかばかしい。めんどくせー。何やってるんだろ、私」

FIVは簡単にうつりません。だから全然怖くなんかなかった。ちょっとやそっとのことではうつらないのに、どうして隔離をしなければならないのか?

それに、ウイルス検査が陰性でも若くして亡くなる子は沢山います。逆にウイルス検査が陽性でも、しぶといほど長生きする子は数え切れません。15年生きる 子は、1匹や2匹じゃないんです。たまたま、うちのかつくんは亡くなりました。でも、FIVを発症して旅立ったわけではありません。

私が保護猫とかつの間に壁を設けたのは、差別や偏見から双方を守るためだったんです。

数メートル離れているにも関わらず、保護猫とかつが一緒の空間に写っている写真を見て

「保護猫ちゃんを希望しようと思ったけど、先住猫がFIVなのに同じ場所にいるから、保護猫ちゃんにもうつっているんじゃないか?」

とのメールが届いたことも。

数メートル離れているんだから、うつりようがない。
例え寄り添っていても、簡単にうつるものじゃない。

本当のことを言っているのに、なかなか理解されず、苦悩しました。

汚れた目でかつくんを見ないで。
私のかつくんは、病原菌じゃない。

隔離措置は私にとって保護猫たちをかつから守るためじゃない。
かつが差別を受けるのは、どうしても耐えられない。
だから私は先回りして、ひたすらかつと保護猫たちの距離をキープし続けたんです。遊びたい盛りのかつには申し訳ないことをしました。まあ、うちのかつくんは保護犬たちと仲良くしてくれたから淋しくなかったと思うけれど。

私たち保護活動をしている人間は、一度保護することを決めたら、途中でその子を投げ出したりしません。

トイレができないという理由で外に放すこともしないし、いたずらをするからといって手放すこともない。血液検査の結果、FIV+であろうが、フィラリア陽性であろうが、その子を思う気持ちは全く変わらない。むしろ、日に日に愛しさが増す。

みいさんはさーちゃんがFIV+であることを知った直後、私に電話をくれました。みいさんの声は不安を含んでいました。

みいさんが何に不安を感じたのか?

私にはすぐ分かりました。

みいさんちの先住猫たちに病気がうつるかもしれないから?

いいえ。
みいさんはFIVについて正しく理解しています。だから全く心配していません。

若いさーちゃんがすぐにFIVを発症してしまうと嘆いて?

いいえ。
全然。みいさんはさーちゃんが極めて健康的であると知っているのです。

みいさんの不安はさーちゃんに対してではなく、さーちゃんを見る周囲の視線なのです。ただFIV+だったというだけで、誰もがさーちゃんの前を通り過ぎる のが嫌だったんです。さーちゃんが謂れのない偏見や差別にさらされるのが耐えられないんです。私もそう。保護に携わっている人はみんなそう。FIVの子に 対して浴びせられる冷たい視線を我慢できない。

さーちゃんを見て。

こんなに素敵な男の子ですよ。

みいさんは心からそう思っています。それを伝えようとしています。

FIVは簡単にはうつりませんが、絶対にうつらないわけではありません。でも、工夫次第では先住猫がいるお宅でも上手に暮らしていけるんです。それに、さーちゃん単体なら問題はもっと簡単でしょう! ね、さーちゃん♪

「むずかしいはなし、おしまい。ぼく、ただのねこ」
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ごめんごめん。そうだね(笑)。

……いや、違うな。
さーちゃんはただの猫じゃない。
ハンサムな猫よ。

どうかさーちゃんをはじめとする保護猫たちが早く良縁に恵まれ、お外で順番を待つ子たちに手を差し伸べられるようになりますように……。

かつくん「さーちゃん、絶対に家族に巡り会えるよ。ぼくはそう信じている。だって、ぼくが生きていた頃、703号室を読んだ多くの方が“かつくん、可愛い”って思ってくれたでしょう? それがすべてだよ。

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