みんないいいぬ

昨日は、ニュース番組ZEROをご覧になった方も多いと思います。私も勿論観ました。

嫌ですね。気分が悪い…

紙袋に犬を入れて、捨てに来た夫婦の様子を見て、胸糞悪くなった方も多いと思います。私もその一人だから。そして、その日からその犬の命のカウントダウン が始まった、って所で終わってしまったのですが、その犬のその後の様子を知って、ホッとしちゃった方が多いかなと。広まると飼い主に知れ渡るので、この辺 で自粛しますが、他の多くの犬が、同じように捨てられて、処分されて行く事を忘れてはならないなと思います。自分自身に言い聞かせていることなのですが、 たった一つのハッピーエンドに縋るのは、自分を慰める以外のなにものでもない。勿論、素直に喜んだり、悲しんだりする気持ちは大切だと思いますが、問題が 解決したって言う捉え方は違う気がします。

センターレポを定期的に続ける満月さんは、 それを読んだ方に「安らぎ」や「癒し」を与える為に行っているのではなく、多くの犠牲について、あるいは現実について、皆に伝えたいという思いからシャッ ターをきり、文章を書いているんだと思うのです。おこがましいのですが、私には分かります。だから、1のハッピーエンドを喜ぶ事も勿論重要ですが、本当 は、100の犠牲の方を、直視しなくてはならないと思います。

満月さんのような人が居て良かった、そう思います。
でも満月さんは、自分のような人間が、もっともっと増える事を願っている気がします。それには、事実を伝えるしかない、辛くても目をそらさずに、と言う風に考えているのではないかな、と私は勝手に捉えていますが、いかがでしょうか。

センターへ通っている訳ではないので、センターの犬猫については、私もただの傍観者に過ぎませんが、センターへ連れていかれる手前の犬や、捨てられて外を彷徨う猫達の保護を微力ながら続けていこうと、気持ちを新たにしました。

話は逸れますが、ずっと書きたかった事を。

先日、卒業生リュウのブログで読んだのですが、まゆさんがリュウを連れて散歩へ出かけたら、犬連れの方に会って、リュウの経緯を聞かれたそうなのです。まゆさんが、経緯を話すと、「あなた偉いわね、私なら、どこの犬か分からない子を引き取れないわ~」と返されたという風に書かれていました。

それを読んで、胸がキュンと苦しくなりました…

リュウ、リュウはどこの馬の骨か分からない犬ではなく、ちゃんと生まれ、立派に育った犬なのにね。見守って来た私が証言するよ。リュウは、とてつもなく素 敵な犬。まゆさんが、どんな気持ちでやり取りしたのだろうと思うと、又苦しくなりました。悪意がないとしても、まゆさんは、どこかで傷ついたに違いありま せん。

リュウは、私が見守り続けて来た犬ですが、リュウ以外の卒業生にだって、そんな風に言って欲しくないな、って。皆いい犬ばかりですよ。ペットショップで買った犬と、何ら変わりませんよ。どうすれば、そんな当たり前の事が、分かってもらえるんだろう。

先日、保健所に頼まれ、べべナナリルを連れて、犬のしつけ教室に参加してきました。

ペットショップで買ったべべは、親のしつけが悪いのか(苦笑)、ギャーギャー騒ぐ一面を見せましたが、土手出身で、成犬になってやって来たナナとリルは、 デモ犬顔負けな位、いい子で、チチと私の足元に、ピタッと添っていてくれました。べべが悪い訳ではないけど、それにしても、教えてもいないのに、ナナとリ ルのこの落ち着きは、何たるものだろう!と、誇らしい気持ちになりました。

参加者の方が、訓練士の先生に、愛犬の困った所を相談するコーナーで印象的だったのは、ある夫婦と、ダックスが抱える「問題」について…

子犬の頃に、ペットショップ(ブリーダーだったかな?)で、買った2歳になるダックス(♂)が、他の犬と仲良くできず、又、人の事も噛んでしまうというの です。夫婦は、そりゃもう真剣で、しつけ教室などにも熱心に通い、勉強も重ねています。決して、犬を甘やかせているようには見えませんでした。ちなみに去 勢も済んでいるそうです。

そのダックスちゃん、他の犬が目の前を通り過ぎるだけでかなりの威嚇モード。

仲良くご挨拶、というイメージではありませんでした。

高いお金を出して買い、子犬の頃から一緒に暮らし、しつけ教室などへ通っていても、問題を抱える犬も居ます。ペットショップの犬が悪い犬って言いたいんじゃないですよ(笑)。くれぐれも誤解のないよう、補足しますね。

私はただ、雑種の犬や、大して手をかけてもらったことがなく、成長してしまった犬について、偏見を感じて欲しくないのです。うちのナナは、ホームレスに殴 られっぱなしで育ちました。今でも人が怖い一面がありますが、一生懸命克服しようと頑張っているし、実際、誰に会わせても「おとなしくていい子」と言われ ます。まあ、最初はちょっと吠えますが^^; ナナだってリルだって、その他大勢の卒業生だって、センターに居る犬猫達だって、皆ペットショップの子達よ り劣っている部分はありません!断言します。

劣っているように感じるなら、それはそういう風に感じてしまったその方の心に問題があるのだと思います。劣っているのは、犬や猫ではなく、人間の方。

もし私のブログを読んでいる方の中で、

センターの犬猫や、保護されている犬猫は可哀想。けど飼うとなると、やっぱり懐かないかもしれない、あるいは、扱いづらいかもしれない、だから飼う時は、 現実的にペットショップで買う!と思っている方が居ましたら、伝わるか分かりませんが、声を大にして言いたいです!!それは、根拠のない間違いだと。

宝物は、

家族は、

お金を出さなくても出会えますよ!!

しつけ教室での集合写真


皆いい子に出来ました!(べべは微妙・汗)


訓練中?(笑)


働く犬?


もし自分が差別や偏見にさらされ、傷つきやすいタイプ人間なら、他を差別するのは、やめましょう。

ちょっと熱くなりすぎましたね^^;
長くなっちゃった…

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かつくん なな

ペットシッター「にくきゅうのおせわ屋」をはじめました

お留守番をがんばるかわいい家族が「お帰り!」と目を輝かせて出迎えてくれるよう、安心・安全に最優先で心を込めてお世話します。

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土手からリビングへ2

昨夜は、せっかく書いた記事を間違えて消してしまい、戦意喪失の状態でした(笑)。楽しみにし ててくださった皆様、本当にごめんなさい^^; それにしても代筆してくれたチチ、私が言ってないことまで書いてくれたようで。。。画面開いてちょっと驚 きました(笑)。まあ、やりかねないな、とは思っていましたが(爆)。

ささ、話の続きを(今度は無事投稿できることを祈って)

タロウのお届けは、預かりの山本さんと一緒に行きました。
山本さんは、タロウが703号室へ来てからもずっと気に掛けてくださっていたので、一緒に行けば安心するかもしれないと思い、里親さんの了解を得てお誘いしました。

お見合いの数日前には、既に電話で私のタロウに対する思いや、私の里親さんならご存知だと思いますが“迷子・脱走・盗難の防止”等をお話しさせて頂きました。お渡しの前には、必ずこれでもかと言う程繰り返しお願いする事項。きっと里親さん方に

「この人病気??」って思われてしまう程、何度も何度も言ってしまいます(笑)。

迷子になって家に帰れない犬猫の多さを知っています。それまで、いくら良質な食事を与えていたとしても、いくら暖かい寝床を提供したとしても、居なくなっ てしまえばそれで終わり。彼らの幸せは、その時点でプツンと切れてしまう。彼らの幸せが切れてしまうだけではない。場合によっては、里親さんの幸せだって 切れてしまう。

私が手渡すバトンを、落としてしまわれないように慎重にお願いしています。

タロウの里親さんは、私の気持ちを理解してくださって、お見合いが終わると早速迷子札の注文をしてくれました。それから、お見合いの席で先代犬ちゃん達の 話を聞いて、リビングに飾られたその子たちの写真を拝見して、私はこの家なら絶対に間違いなくタロウを幸せに出来ると確信しました。

先々代はMIXの女の子ちゃん。ご主人が保護したそうですが、ご家族に溺愛され、室内犬としてその長い生涯を全うしました。先代は、ラブの女の子。快活な 先代ちゃんとの生活を聞いて、心がほんわりと温かい気持ちになりました。ご主人・奥様・高校生のお嬢様共に大の犬好きで、訪れる親族の方も犬好きが多いと か。皆さまの温かい眼差しを受け、タロウが少しずつ伸びやかに変化していく様子が見えてくるようでした。

ランチをご馳走になりながら楽しいお見合いが終わり、お届けまでの間、時間を見つけてMOMOペットクリニックへ行ってタロウのフィラリアの検査をしました。

タロウの場合、最初の2年間は薬を飲ませる事を阻まれていたため、予防を開始したのは2歳を過ぎてから。心に一抹の不安を抱えながら待つと「やっぱり陽性 ですね。」と大巻先生に言われました。その結果を受け、すぐに里親さんに電話をかけました。キャンセルされても仕方ないかな、そんな気持ちでしたが

「そんなの気にしません、あとはこちらできちんと治療しますから。」と言ってくださいました。しかも話しているうちに、私の信頼しているMOMOペットクリニックの大巻先生と、里親さんの行きつけの病院の先生が仲良しであることが判明(笑)。お届け後、先生同士が連絡を取り合って、タロウの事を話し合ってくれたとか!もう、凄い安心ですよ!!

里親さんの行きつけの病院は、お宅から徒歩10秒!なんとお家の5軒先です!

それだけ近いなら、何かあってもすぐ医療が受けられますね!うちはMOMOまで車で20分以上かかるから、羨ましい限りです。

タロウは生き直すために、新しい名前を頂きました!

新しい名前はゆず。娘さんがつけてくださった可愛いお名前です^^
ゆずって卒業生、犬猫共に居るから、最初はちょっと呼びなれなかったのでゆずタロウって呼んでました(笑)。タロウが入った方が、ゆずくん反応が良かったし(笑)。

ではでは、タロウ改め、ゆずくんのお届けの様子を!!

里親さんのお宅は2回目のゆず!今日から君はここの家の子になるのよ!


広い4階建てのお家には、何とエレベーターが完備されていました(笑)。


山本さんに引っ張られ、エレベーターに乗ろうとしていますが、若干ビビってますね。


2Fのリビングへ入ると、巨大なトイレが用意されていました(笑)。


ゆずの為の新しい首輪&迷子札


水色がよく似合ってます^^


山本さんに撫で撫でしてもらい、すっかりくつろいでいるゆず。


机の下がお気に入りのようです。


私が持たせたお婿入り道具のボールのおもちゃで遊んでいました。


「ぼく、幸せになるんだよね!」


そうよそうよ!幸せになるのよ!本当に良かったね!!
お届けの次の日には、通院も済ませ、最近では尻尾を振る回数も増え、表情も明るくなったとか!里親さんは、もう1頭不遇な犬の里親さんになる予定があるので、それが叶えば犬好きのゆずにお友達が出来るし、もう最高の環境ですよ!言う事無しですよ!

それから、同窓会、里親さんは残念ながらご欠席ですが、ゆずを貸してくれるそうなので、リュウ、ゆず、ナナ、リルが揃います!嬉しいな~♪

最高の幸せを噛みしめて、ゆっくり歩いて行って欲しい。
その願いが叶って、夢心地の私からの「ゆずレポート」でした!

★★★おまけ★★★

「あの。お母さーん。」


「どう見ても、タロ芋の方があたちより幸せな気がします…。」

ドキっ。

リル、おやつでも食べる?(汗)

「Ⅹ98ゆずくん、おめでとう!皆さまもきっと喜んでくれると思うよ!あと、リュウくんの里親さんのまゆさんが、そのブログで連日、土手の犬の上品さや可愛さ、暮らしやすさをアピールする記事を書いて、ゆずの里親探しを手伝ってくれました。
ありがとうございました。お陰さまで、リュウの甥は幸せになりましたよ!

余談だけど、お届けの際、車を電柱にぶつけ、大きく凹ませたハハ。修理代の事で悩んでちょっと過食気味です。恐ろしい量を食べてますよ。

同窓会の参加メンバー、追加されているので近日中にUPします。

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愛を纏う犬2

~四人目の飼い主 後~

一見爽やかな風景に遭遇することもありました。

違う犬のテントを目指して歩いていると、タロウとホームレス夫婦が散歩している姿が目に飛び込んできて、それは不幸と緊張が続く土手の中で、束の間の小さな希望のような瞬間でした。

「こんにちは。タロウとお散歩ですか?」

「ああ、たまにはこうして歩いてやらないとな。運動不足じゃ可哀想だから。」

「良かったね、タロウ。いっぱい運動して逞しくならないとね!」そう話しかけると、タロウは心底嬉しそうな顔をして、私の手に優しくキスしてくれました。

そんな日の夜は、安定剤を飲まなくても落ち着いて眠れます。タロウの嬉しそうな顔を思い出し、深い眠りに吸い込まれていく心地良さは、ちょっとした媚薬のようなものでした。

でも、そんな日は長くは続きません。それが土手犬タロウに課せられた運命だったのかも。四人目の飼い主も又、タロウを置いて去って行きました。

~五人目の飼い主~

四人目の飼い主のテントを訪ねると、中から見知らぬホームレスの男が出て来ました。

番犬として吠えるはずのタロウは吠えず、明らかに動揺している素振りで、紐が伸びて自由が利く2m程の範囲を行ったり来たりしていました。

「こんにちは。タロウに薬を与えに来ました。ここに居たタロウの飼い主のご夫婦は?」
と話しかけてみると

「もういねぇよ。生活保護の申請が通ったって。ここを出て、アパートに越して行った。このテントと犬は俺が貰った。」

「そうですか…。」必要以上に関わらないように気を付けているので、私がそれ以上のことを聞く事はありませんでしたが、素朴なタロウの佇まいが、とても惨 めに思えてなりませんでした。そして、神様がいるとしたら、一体何の為にこの犬に要らぬ試練ばかり課しているのか、聞いてみたい気持ちになりました。うま く言えませんが、この犬のこの状況を作り出した全てのものに、漫然と怒りのような感情を抱き、自分の微力さに辟易しました。

土手通いが、だんだん耐えられなくなってきました。自分を制することにも、結果が出ると信じながら演じてきた「温和な女の役」にも、もう耐えられなくなってきました。

タロウ、また飼い主が変わってしまったね。
前、タロウに頑張ってほしいと言ったけど、あれは取り消すことにした。
もうどう頑張っても、お前の力ではどうにもならないから、だからもう、
どうかもう、頑張らないでほしい。
もう打ち解けよう、愛されようと努力しないでほしい。
見ていられないよ。

心の中で、そんな風に話しかけてみたけれど、現実の中でもがきながら生きる目の前のタロウは、新しい飼い主へのご機嫌取りで忙しく、諦める私の思いは、届きませんでした。

その頃のタロウ。


自分が味わってきた苦難や淋しさを、ろ過しつくした澄んだ瞳。


申し訳なさそうに甘える顔


不衛生極まりない食事環境。


小ハエが集ってました。でも、この日はまだマシな方。

 

それから数ヶ月後。

五番目の飼い主は、タロウを土手に置いたまま、幽霊のように姿を消しました。

繋がれっぱなしでの状態で数日間放置され、水さえ飲めなかったタロウを偶然発見した知り合いのホームレスから連絡を貰って土手へ急ぐと、日陰に繋がれたタ ロウは相変わらずの笑顔で私を出迎えてくれました。タロウを保護してくれたホームレスの話によると、一時はぐったりとしてあまり動かなかったとか。涼しい 場所へ移動させ、水を少しずつ与え、頑張れと励ますと、タロウは首を起こし尻尾をパタつかせ、次第に呼吸を整えたそう。

それを聞いて、この犬はまさしく危機一髪の状況で救われたと感じました。
そして、だから今こそが、この犬を保護する時なのだと分かりました。

タロウ、土手から出て、本当の居場所を探そうね。
タロウは愛されなかったけれど、愛を知らない訳ではない。
タロウ自身が、愛を纏い、人を幸せしようと、努力を重ねる犬だもの。
幸せになれるよ。絶対になれる。

7月の半ばに保護し、今はお心ある方のお宅で一時預かりしてもらっています。

一時預かりのお宅には、生き場を失った犬猫が多数居るため、タロウを飼うことは出来ません。タロウがあまりに素敵な犬だから、何とかして飼うことをご家族 で検討してくれたようですが、頭数が多く、これからも増えることが予想される為、預かりという形で関わってくださっています。

土手から出たタロウ、室内犬としていたずらもなし、先住犬達とも仲良しで、ご飯もモリモリ食べて、パーフェクトにいい子だそうですが、若干、ビビリなとこ ろもあるようで(笑)。私自身、ビビリ犬が大好きなので、そういうタロウが可愛くて仕方ないです。叔母犬、ナナちゃんタイプかな?凶暴さが全く備わってな いうちのナナってところでしょうか?

とにかく見てください。

この可愛すぎる顔を!!(先日会いに行った時に撮ったもの)


ねえ、タロウ、お前は憎いくらいいい子だよ。

タロウ、苦労が続いたけれどまだ4歳!
去勢・ワクチンなどの医療ケアも既に済ませています。

本当の家族を大募集します!!

どうかどうか、タロウの可愛い姿が、お心ある方の目に留まりますように。

「一人でも多くの方がタロウを知って、好きになって、その中からタロウと一緒に暮らしてみたい、タロウに愛を注いで、タロウから愛を注がれてみたい、と思 う方が現われてくれたらこんなに嬉しいことはありません。タロウのご家族を募集しています。気になる方はぜひお問い合わせください。

703号室の同窓会、参加予定犬が2頭増えました。近日中に写真と共に詳細をUPする予定ですのでお楽しみに~

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愛を纏う犬1

~ひとり目の飼い主~

ひとり目の飼い主の手によって、タロウを産んだ母犬のタカコは死に追いやられました。

タロウが離乳した頃の事。タカコと一緒にそこで生まれ育った兄弟犬2頭も、惨めにこの世を去りました。タロウが生まれるずっと前から土手に通い、犬達の環境を改善しようと努力した私は、11頭居たタロウの親戚犬のうち、今日現在既に5頭失っています。

6年という長い年月を費やし、3頭の犬(ナナ・リル・リュウ)を土手から出すことができましたが、今尚土手には、タロウの叔父にあたる犬が2頭、ひっそりと日常を送っています。だからタロウを土手から出せたことは、私にとっては奇跡なのかもしれません。

いや、あの環境で折れずに生き延びたタロウそれ自身が、実は奇跡なのだと思います。

一番賢いという理由で、ひとり目の飼い主の傍を逃れられなかったタロウは、土手の中でも最低なテントで2年過ごしました。餓えや渇きや暴力に蝕まれ、母親 や仲間達がこの世を去っていくのを、タロウはどんな思いで見送ったのか。そして救ってやれなかった私に、どうして笑顔を向け続けてくれるのか、一度聞いて みたい気がします。

タロウ自身も、子犬の頃から随分殴られて育ちました。飼い主は、その日その日の感情に任せ、タロウを殴りました。タロウは混乱しましたが、混乱さえも抱きかかえて受け入れるしかありませんでした。従順な犬は、現実を全うする以外の術を知らないからです。

その環境に置かれたタロウは、その中で精一杯成長してくれました。
正直言って、あの頃の話を書く事は辛いです。
思い出さずに済むものなら、思い出したくはありません。
けれど、タロウという犬を少しでも知って頂きたくて書きます。
私がタロウにしてやれた事は、あまり多くはないから・・・。

2歳を過ぎた頃、ひとり目の飼い主だった男が突然死して、その運命は好転するはずでした。
けれど、タロウには、まだまだ苦難が付きまといます。

~ふたり目の飼い主~

ホームレスの男性。
ようやく生き場を得たタロウを置いて、1か月以内に行方不明になりました。

~三人目の飼い主~

ホームレスの男性。
タロウを引き取ってすぐ、タロウを捨てて土手を出ました。

~四人目の飼い主 前~

ホームレスの夫婦。戸籍上は他人でしたが、お互いが夫婦と名乗っていました。

ふたり目、三人目と飼い主が変わり、忙しく流転させられたタロウを見失った私は、ここでようやく、その居場所を突き止めました。土手は広いのです。知り合 いのホームレスにタロウの居場所を聞き歩いているうちに、自分の身にも、計り知れない疲労感が襲ってくるのを感じました。

タロウのテントの場所を知った私は、夕暮れを待って向かいました。

はっきりと覚えています。
空が太陽に焼かれ、オレンジ色に燃えているように見えた神秘的な日でした。

フィラリアの薬、焼酎2本、タロウのフード。
それらを担いでテントを目指すと「マムシに注意!」という看板が見えて来ました。都内の一角とは思えない風景。歩き進めるうちに、タロウの姿が見えて来ました。タロウは、テントの端に作られた質素な小屋の中から可愛い笑顔を覗かせて、尻尾を振って私を出迎えてくれました。

「タロウ!!会いたかったよ!!元気してた?さあ、おいで!!おいでおいで!!」

興奮気味の私に波長を合わせ、タロウも楽しそうにはしゃぎます。私たちはまるで、離れ離れになって久しく、やっと再会を果たした恋人のように抱き合いました。

すると突然、
「こら!!この役立たずのチクショウめ!!」
ものすごい罵声と共に、テントから女が出て来ました。

「タダ飯食わして貰ってると思ったら大間違いだぞ!!このバカ犬が!! ん?お宅は誰?何でここに居る?こんなところで何やってるんだ!えっ?」

女は明らかに不機嫌で、その怒りは不審者の私に対するよりもまず、番犬として役目を果たさないタロウに向けられていました。木の棒でタロウを小突いたり、 サンダルを投げつけたり、それは、ご機嫌取りに持ってきた焼酎を手渡すまでずっと続き、私が来た事で、タロウを苦しめることになったと自分を責めずにはい られない状況でした。

「お酒、次も持ってきます。私の家、酒屋なの。だからいっぱいお酒があるんです。」
挨拶代わりにそう嘘をついて女のご機嫌を取ることに成功した私は、続けてタロウに薬を飲ませる許可を取り付けました。

「この犬は賢い、番犬になるからって言われてうちが引き取ってやったんだよ。なのにちっとも吠えねぇ。誰が来たって尻尾振って、これじゃ役にたたねぇっ て、お父ちゃん怒ってるからあたしがしつけしてやってるんだ。本当、愛想だけはいいバカ犬で、どうしようもねぇよ。」と女。

「あ、そうですか?そんなに役立たずならここに居ても意味がないわね。世話の方が大変でしょう。私が引き取りますよ。その方がいいと思いますよ。」と私。

「いや、それは断る。こんなバカでも、居ねえよりはマシだよ。お父ちゃんがこの辺は物騒だから犬は置いとかなきゃダメだって。とにかくこの辺は、物騒なの。」そう言って女は私が渡した焼酎を持って小屋の中に消えて行きました。

タロウと二人きりになって、私はその耳元で「作戦失敗!ごめんね。」と囁きました。

そして「タロウ、もっと賢く生きないとやられっぱなしになるよ。お願いだから言うことを聞いて、もう少し頑張ってね。私、何か方法を考えてお前を土手から出すから。」と続けました。

10日後、まとめ買いした犬の缶詰を手に、再びタロウのテントを訪ねた時のこと。

そばに置いてあった自転車を退かして、テントに近づこうとした瞬間

「ワワワワワンッ!!」
タロウが威勢よく吠えました。

そして私の顔を得意そうに眺め、背筋を伸ばして尻尾を振りました。

その姿があまりに誇らしげで、まるで「ぼく、番犬として頑張ってるよ。ちゃんとお仕事して、役に立てるようになりたい。」と言っているようで、私は泣きたい気持ちをぐっとこらえ、タロウを撫で、お前は凄いのね、偉いのねと繰り返し褒めました。

その頃のタロウ。四番目の飼い主の夫婦の足元にて。


この後、タロウはまた捨てられてしまいます。
どんなに努力しても、タロウ一人の力ではどうしようもない。でもタロウは、諦めずに闘い続けました。話の続きは次回へ。

すっかり長くなったので、今日はここまでにします。
4年半以上の出来事を、端折って書いているのでどこまでしてやれるか分かりませんが、ひとりでも多くの方の目に留まり、こうやってひっそりと、しかしながら力強く生きて来た犬も居ると知って頂けたら本望です。

「同窓会の参加記事、改めて書きます。今のところはまだ卒業生まりん一家だけ。沢山のご参加お待ちしています。タロウの事、長くなったけど読んでくださってありがとう。続きは次回更新の時に書く予定です。

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