小宮さんがドライアイスがいいというのです。
そうはいっても、中型犬一頭を冷やすドライアイスをどこで入手しましょう?
保冷剤と市販のロック用アイスでしのいでいたのですが、我が家の冷凍庫の調子が悪くなり、替えで用意しなくてはならない分が氷の塊になりません。
火葬まで日があるので困りました。
遺体を安置するために、一部屋を真冬の気温並みに下げていますが心配です。
お姫さまが傷んでくるのではないか。
小宮さんのアドバイスどおり、私は一蹴される覚悟で近所の葬儀屋さんに向かいました。
「あの……犬が亡くなって……冷やすためにドライアイスを分けていただけませんか?
火葬まで日があるので、もつか心配で……もちろん、お金をお支払いします」
おそるおそるお願いしてみると、快いお返事が返ってきました。
「え? ああ。近所の方ですか? いいっすよ。犬は何キロ? 種類は?」
「雑種です。中型の……」
「うーん。じゃあドライアイス10キロあれば24時間~36時間はもつかな? 用意しますね」
「あの、いくらお支払いすれば?」
「いいっすよ。お金いらないっす。自分も犬を飼っているので」
「ではせめてお名前をお聞かせ願えますか?」
「え? ぼく? 名乗るほどの者ではありません。いいっすよ。また必要なら来てください。スタッフに話しておきます。お金は要りません」
会話を交わしながら慣れた手つきでドライアイスを置きやすいサイズに砕き、ひとつひとつ丁寧に専用の紙で包んで渡してくれた葬儀屋さんの男性。
仕事を抜け出しSALAにお花を届けてくれたマイ太郎さんと葬儀屋さんの男性
マイ太郎さんが来たとき、私はちょうど葬儀屋さんに行こうとしていたのでつき合ってもらったのです。SALAが傷むんじゃないか気が気じゃなくて家でじっとしていられませんでした。
男性はドライアイスを運ぶパックまで貸してくださいました。見ず知らずの私たちに。
先ほどパックを返しに行ったところ、ほかの男性が対応してくれたのですが、どうしても思いを伝えたくなり、開口一番にこう言いました。
「先ほどの方のご親切に感謝しています。私が死んだらここで密葬をしますね」
対応してくださった男性は困ったような笑顔を浮かべながら「はい」と答えてくれました。
ありがたい。ほんとうにありがたい。
こういうの、心に沁みるのです。
おかげでお姫さまが美しいまま旅立てます。なにかお礼をしなくてはいけませんね。
グリーンのお花(里親ぴんぽんさん)、紅いお花(マイ太郎さん)、ピンクのお花(みいさん&MIHOさん)、オレンジのお花(メグさまご一家)、ピンクの小さな花束(emi-go)。
キレイですね。ありがとうございました。
お姫さまいい香りがしますか?
やんちゃの頃の写真をiPhoneで撮ってみました。
まだ1歳に満たないSALAとべべがSALAんちの前で戯れています。これ、ナナを家族に迎えるまで毎日つづいていた風習でした。私がべべを連れてSALAんちに通っていたのです。
SALAはいつもひとまわり小さいべべの下敷き役になってくれました。べべと遊ぶときは、体を縮ませ敵意をもっていないアピールをべべに伝えてから「ヨーイ! ドン!」するのです。
やさしくて、あかるくて、素直な犬。
たくさんほしがるわけではなく、わがままをいうわけでもなく、与えられた環境や物理の中で精いっぱいに楽しい時間を謳歌する。見習うべきところが多いし尊敬に値します。
うちのお姫さま
合掌
さようなら、SALA
でもまた未練たらしく思い出話をさせてくださいね。SALAと科学では説明できない深い縁で結ばれていたことを確信したできごとがあったので、それは皆さまにお話したいのです。
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